2010.11.16
「F1最終戦を見て」
この週末にはF1グランプリ最終戦アブダビGPがありましたね。最終戦までもつれ込んだチャンピオン争い。半歩リードでレースに臨んだアロンソは、1週目に4位に後退し、タイヤ交換の後は中盤グループに復帰するも、前を行くルノーの新人ペトロフを抜くことが出来ない。
そして予選から終始レースをリードしたのは、「奇跡のワンダーボーイ」ヴェッテル。結局カッティングエッジなマシンと彼のドライビングは、55週のレースを張り詰めたまま昇華し、トップでチェッカーフラッグを受けます。
それでも4位以上でゴールすればチャンピオンが転がり込むアロンソと彼の赤い跳ね馬は、結局中盤グループから脱出することが出来ず7位。この時点で、史上最年少のチャンピオンと、レッドブル初のコンストラクターズという栄誉を手にしました。
まあ、個人的には「アロンソがフェラーリでチャンプ」よりもベッテルのほうが許せますが・・・。密かに伏兵でバトンとかとは思っていましたが・・・。
シンガポールGP同様、新しい市街地サーキットでのナイトゲームだったアブダビGP。カクテルライトに照らし出されながら疾走するマシンは、この世のものとは思えないほど美しいのですが、そのマシンを極限で操るパイロットたちは、ヴェッテルからビリのクリエンまで、誰一人「仕事として」走っている者はいません。
彼らはすべて、自らの闘争本能と、ゴールの向こうにある栄光、与えられる賞賛と名誉のために戦っている。
レースですから、競い合っています。特に前後の車とは熾烈なデッドヒートを繰り広げます。しかし突きつめれば、やはり「己自身との戦い」。この戦いに勝てないものは、少なくとも隣のライバルを抜き去ることは出来ません。
2010年最終戦。首ひとつ抜けたレッドブルとマクラーレンは別にしても、何十周も新人のルノーを抜き去ることが出来なかったアロンソ&フェラーリを見る限り、どのチームにもかつてのようなぶっちぎりのHONDAパワーのような絶対優位のないシーズン。
勝利の美酒は、五臓六腑が乾ききるほどの勝利に対する飢えとの戦いに勝ったものだけが味わえる。
2010年シーズンのF1は、まさしく「ピュア・スポーツ」でした。
シーズンも終わり、いよいよ晩秋。今夜はあったまる「ちゃんこ鍋」にしました!(@_@)