2010.12.20

Movies

i am sam 邦題:アイ・アム・サム

保護者能力を問われた知的障害の父と、里親に引き取られた一人娘の姿を描いたヒューマンドラマ。

スターバックスでデリバリの仕事をしているサム(ショーン・ペン)は自給8ドルの最低賃金。彼は7歳の知能しかない知能障害を持っていました。そして屋根さえあればと彼のアパートに転がり込んできたホームレスの女性が彼の娘を出産し「そんなつもりはなかった」と二人のもとを去ります。

i-am-sam.jpg事情が飲み込めないまま、ビートルズが好きだったサムはルーシー・ダイアモンド(ダコタ・ファニング)と名づけ、隣家の音楽家アニー(ダイアン・ウィースト)や同じく知能障害をもつ仲間たちの協力を得ながら、親子水入らずで幸せに暮らしていました。

しかし、ルーシーが7歳を超えると、彼女の知能はサムのそれを超え、彼女もその現実に戸惑い始めます。そしてある日、ソーシャル・ワーカーから養育能力なしとの判断をされ、ルーシーは施設に預けられ、二人は離れ離れとなってしまいます。

親子二人で暮らすことが何よりの願いであるサムは、法廷で争うことを決意。高額で有名な敏腕女弁護士リタ (ミシェル・ファイファー)の事務所を訪れます。

サムには弁護費用を払えないと知った彼女は、売名のための社会奉仕の仕事として弁護を引き受けますが、訴訟は圧倒的にサムに不利。証言台に立った彼の友人たちは、誰一人まともな証言が出来ず、リタは途方にくれます。

そしてルーシーは里親のランディ(ローラ・ダーン)のもとに引き取られてゆきます。

なんといってもショーン・ペンの名演が光ります。そしてこういうことってあるよね!というシチュエーションで、はたしてサムとルーシーはどうなるのかと、心配するやらはらはらするやら。

大上段に振りかざしてはいませんが、養育とは、子育てとは、あるいは親とは子供にとってどういう人物であるべきなのか、何をもってして親といえるのか、そういうことを静かに私たちに問いかけてきます。

簡潔に言えば、「7歳児の知能しかない片親に、子供は育てられるのか?」ということなのですが、一方で人の幸せとは何かというような問いかけもしてきます。それは重要な登場人物すべてに投げかけられ、そして観ている私たちにも。

音楽にはビートルズの曲が効果的に使われているのですが、予算の関係かカバーが多く、またマイナーな曲が多いのが少し行き過ぎて、ある種の印象を薄めてしまっているような気がします。アビーロードのジャケットのパロディ・シーンには、思わず笑ってしまいましたが・・・

音楽は、ジョン・パウエル。この作品の後、「ボーン・シリーズ」や「ミニミニ大作戦」、「ハンコック」などさまざまな作品を手がけるようになります。

途中サムとリタとのどうとも取れる接近にちょっと不快感を感じます。が、基本的には久しぶりに素晴らしい展開で物語りは進みます。

ところがラスト10分からの展開と演技内容がどうも納得できない。ここまで本当にアカデミーレベルで進んできたのに、ほんとうにもったいない。

もしや?と思ったとおり、監督はジェシー・ネルソン。はい、女性でした。やっぱり。詰めが甘いんだよ、詰めが・・・。って、これは私がよく言われるセリフでもありますが・・・。(^_^;)

本当に、優しく生きていたいですね!限りなく★4つに近い、★3つです。

出演:ショーン・ペン,ミシェル・ファイファー,ダイアン・ウィースト,ダコタ・ファニング,リチャード・シフ,ロレッタ・デヴァイン,ダグ・ハッチソン,ローラ・ダーン

監督:ジェシー・ネルソン 2001年

音楽:ジョン・パウエル

BOSS的には・・・★★★☆☆

I am Sam/アイ・アム・サム [DVD]

東芝デジタルフロンティア
2007-11-28
Amazon.co.jp ランキング: 53077位


Amazon.co.jpで見る by Azmix
 

もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」

INDEX

CATEGORY

ARCHIVE