2010.12.29
Something's Gotta Give 邦題:恋愛適齢期
熟年男女の恋の行方を描いたラヴ・コメディ。ジャック・ニコルソンのある意味彼らしさ全開の演技に注目。
音楽業界の立役者として権勢をふるう63歳になる独身富豪ハリー(ジャック・ニコルソン)は、若い女性としか付き合わない。
そんな彼が、新しい恋人のマリン(アマンダ・ピート)と共に、ニューヨークのハンプトン・ビーチにある彼女の母親の別荘にやってきます。
出迎えたのはハリーよりの年下のマリンの母親で有名劇作家のエリカ(ダイアン・キートン)と、彼女の妹ゾーイ(フランシス・マクドーマンド)。当然のごとく気まずい雰囲気のままでの夕食。そして突然ハリーは心臓発作で倒れます。
しばらく別送で静養することになったハリーでしたが、彼の傍若無人な振る舞いに怒り心頭のエリカでしたが、時折見せる彼の意外な一面に、次第に心惹かれてゆきます。
一方、ハリーの担当医であるジュリアン(キアヌ・リーヴス)は、20歳以上年上のエリカに恋をしてアプローチを始めます。そしてハリーもエリカの魅力に気づき始め、二人は結ばれます。しかし、健康を取り戻したハリーは再び若い女性の下へ・・・。
「男性がいくつになっても女性、それも若い女性を追い求めるのは「死への恐怖」である。」というのは、名作「月の輝く夜に」のテーマ。それが種族保存のための本能的な行動だと手放しで肯定しているわけではありませんが、年齢によって相手に求めるものも異なってきますし、年齢や経験、もちろんその人の性格や人生観によって恋愛に対する価値観、つまり相手にこうあってほしいと思うものも異なってきます。
そういう年齢と言う軸の加わった複雑な恋愛の世界、つづれ折りをうまく描いた佳作です。
結局、恋愛とはその対象と一緒にいたいというのが共通する基本ではありますが、すっとずっと一緒にいたいと今日思っただけでは意味がない。明日も、明後日も、ずっとそう思わなければいけないわけで、新しく出会ったときの「ときめき」の賞味期限は、思った以上に短いもの。
だから恋ってムツカシイのですが、恋の相手、あるいは人生の伴侶だけでなく、周りにいる人にいかに次々と「ときめき」を与え続けてゆくことが出来るか・・・。
結局、それが輝く人生そのものなんですよね!
「大人の恋」とはよく言われますが、恋に大人も子供も関係ないのかもしれない。だから私は、今でも「小さな恋のメロディ」にときめいてしまうオジサンなのでしょうか?
いつもけなしている「女性監督」ですが、本作にはぴったり。
出演:ジャック・ニコルソン,ダイアン・キートン,キアヌ・リーヴス,フランシス・マクドーマンド,アマンダ・ピート,ジョン・ファヴロー,ポール・マイケル・グレイザー
監督:ナンシー・マイヤーズ 2004年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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