2011.01.04
ショパン スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31(1837年)
ショパン生誕200年の間には、ほとんど進まなかったショパン・シリーズ。今年も引き続き、やります。
今夜はショパンの心情吐露のひとつである4曲のスケルツォのうち最も有名な第2番をご紹介します。
イタリア語で「冗談」と言う意味のスケルツォ。冗談と言うにはあまりに美しく印象的な主題で始まるこの曲を、シューマンはこう評しています
「魅力ある曲であり、甘美さと大胆さ、愛らしさと憎しみが満ちていて、バイロンの詩と比較されても不当ではなかろう。」
問いかけにも似た前半をショパンの弟子のフォン・レンツは、
「いくら問いかけても、いくら弱音で弾いても、いくら意味深く弾いてもそれで十分ではない。」と言います。
優美な第2主題を経て曲は転調を繰り返し、ショパンは自ら投げかけた問いかけに対し、力強く情熱的なコーダでその答えを用意します。
ジョルジュ・サンドと出会って1年、円熟期のショパン。