2011.01.05
ラヂオの時間
ドラマを生放送中のラジオ・スタジオを舞台に繰り広げられるドタバタ・コメディ。三谷幸喜初メガホン作品。
ラジオ局「ラジオ弁天」内のとあるスタジオでは、間もなく始まる生放送のラジオドラマ「運命の女」のリハーサルが行われていました。始めて書いた作品がシナリオとして採用されることになった主婦の鈴木みやこ(鈴木京香)は、緊張しながらリハを見守っていました。
リハも無事終わり、本番直前になって我がままし放題の主役声優の千本のっこ(戸田恵子)が自分の役名が気に入らないと言い出します。プロデューサーの牛島(西村雅彦)は、役名を「メアリー・ジェーン」に変更することでその場を納めようとしますが、今度は相手役の浜村(細川俊之)も役名を外人にしてほしいと言い始め、熱海が舞台のメロドラマだった台本は、海外ドラマに方向転換されます。
本番直前になっての急な台本改編に対応しきれないみやこに変わり、牛島はまたもや急場しのぎに放送作家のバッキー(モロ師岡)に書き直しを依頼。展開を全く把握していない彼の改編により、物語はどんどんとあらぬ方向に展開することになります。
見かねたディレクターの工藤(唐沢寿明)も手を差し出しますが、行き当たりばったりのその場しのぎの改編についにみやこの怒りが爆発。CM中にスタジオに立てこもってしまいます。
もともとが舞台用の台本をもとに作られていますので、スタジオとモニターの狭い範囲で物語りは展開してゆきます。まったく脈絡のないキャスティングは、三谷幸喜らしいチョイス。
まあ、そもそも物語にも展開にもなにがしかの示唆があるわけでもなく、ひたすら目の前で展開されるどたばたに抱腹絶倒するのみ。それも2時間近く連続すれば慣れて疲れてしまいますが、ご安心あれ。中盤まではぼちぼちで進みます。そして後半、仕掛けは一気に盛り上がり、少しの感動と共にエンディングに向けて一気に突き進みます。
放送という仕事、あるいはマスコミのいいところ悪いところ、ギョーカイの悪しき慣行などを織り交ぜながら、等身大の物語として思い存分笑わせていただけます。
最近、何かいいことなくてちょっと笑いの少ない方に。近頃のバラエティやお笑い番組では笑えない方に。鈴木京香ファンの方に。
出演:唐沢寿明,鈴木京香,西村雅彦,戸田恵子,井上順,細川俊之,奥貫薫,梶原善,モロ師岡,近藤芳正,布施明,藤村俊二,並樹史朗,田口浩正,梅野泰靖,小野武彦,渡辺謙,桃井かおり,佐藤B作,市川染五郎,宮本信子
監督:三谷幸喜 1997年
BOSS的には・・・★★★☆☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」