2011.01.06
シコふんじゃった
ひょんなことから相撲部に入部してしまった大学生の奮闘を描いたコメディ。
キリスト教系の大学に通う4年生の秋平(本木雅弘)は、父親のコネで就職も決まり、残りの学生生活をエンジョイしていました。
ある日、卒論指導教授の穴山(柄本明)に呼び出された秋平は、一度も授業に出席しなかった代わりに穴山が顧問をしている相撲部の試合に出ることで卒業させてもらえることになります。
しかしその相撲部というのは部員と言えば8年生の青木(竹中直人)ただ一人。彼は相撲を心から愛しているのだけれど、小心者で一度も試合に勝ったことがありませんでした。
それでも試合に必要な人数を確保するため部員勧誘を始めた二人は、デブのクリスチャン田中(田口浩正)の勧誘に成功。秋平の弟の春雄(宝井誠明)を加え、春雄に思いを寄せる正子(梅本律子)もマネージャーとして加わることになります。
何とかメンバーの揃った相撲部は大学対抗戦に出場しますが惨敗。応援に駆けつけたOBたちの罵声に対し「今度こそ勝ってやる!」と宣言する秋平。そんな彼を見守っていたのは名誉マネージャーの夏子(清水美砂)でした。
イギリスからの留学生スマイリー(ロバート・ホフマン)を加え、次の大会に向けて猛練習が始まります。
クリスチャン系の大学の、廃部寸前の相撲部という設定自体、何か起こりそうな予感。もちろん予定された結末に向けて物語りは進むわけですが、そのプロセスをどう展開するかで物語の出来が決まります。
本作は本木雅弘演じる秋平によって部と部員がいかに成長してゆくかというのがテーマであり、そのプロセスは結構丁寧にうまく、しかもコミカルに描かれています。
時代はバブル崩壊の兆しのあった92年ですので、まだまだいけいけな展開もありますが、相撲をテーマにしたコメディとしてはよくできていて、清水美砂の笑顔のさわやかさも、「青春」を感じさせます。
もう一歩踏み込んで、それぞれの青春群像を描けばもっと感動的なコメディ(?)になったとも思いますが、まあこれはこれで。
出演:本木雅弘,清水美砂,柄本明,竹中直人,田口浩正,松田勝,ロバート・ホフマン, 梅本律子
監督 周防正行 1992年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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