2011.01.09

Movies

転々

ワケありのやくざと大学生が、二人で東京の街中を散歩する、和製歩行版ロードムービー。

天涯孤独な大学8年生の竹村文哉(オダギリジョー)は、知らない間に84万円の借金を抱えていました。そしてある日、やくざの福原(三浦友和)が彼のアパートに押しかけてきます。

tenten.jpg返済期限の前日、返す当てのない竹村に対して福原は、吉祥寺から霞ヶ関までの散歩に付き合えば100万円の報酬を出すから、それで返せばいいと提案してきます。

選択の余地のない竹村はその申し出を引き受け、井の頭公園から二人の散歩が始まります。

初日の調布飛行場。福原は妻(宮田早苗)を誤って殺してしまったため、桜田門の警視庁に出頭するための散歩であることを竹村に告げます。

やがて二人は、阿佐ヶ谷から新宿を経たころ、福原の知り合いである麻紀子(小泉今日子)の家を訪れます。そこに姉娘のふふみ(吉高由里子)も加わり、4人はまるで本物の家族のような数日を過ごすことになります。

先にお話しましたが、明らかにロード・ムービーです。しかしここはアメリカではなく、狭い島国日本。そこで、主人公の二人は車ではなく徒歩で、東へ東へと向かいます。

そしてロード・ムービーらしく、途中でいろいろなコネタの笑いが封じ込められ、やがて二人はささやかだけれどとっても大切な「家族」というものの本質に触れ、あったらいいなの何気ない愛をイメージします。

予算の関係もあり、ロケは結構地でやってて、ちょっと引いてる通行人などがちょっと気になりますが、主役のオダギリジョーに助演ロン毛の三浦友和、二人とも素晴らしい演技で、ちょっと笑わせ、ちょっと切なくさせながら、よく知る東京の町並みを巡ってゆきます。

押し付けがましさは皆無。すーっと入ってゆけるのは東京で暮らしたことがあるから?やっぱり、はじめに「家族」です。当たり前のように思わずに、そのことに感謝しましょう。

邦画のよさを生かした、邦画らしい映画です。

出演:オダギリジョー,三浦友和,小泉今日子,吉高由里子,岩松了,ふせえり,松重豊,津村鷹志,宮田早苗

監督:三木聡 2007年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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