2011.01.11
Rebel Without a Cause 邦題:理由なき反抗
「エデンの東」でアカデミー候補となったかのジェームス・ディーンの遺作。家族の愛を求めて満たされぬ若者の屈折した生き様を描いた作品。
集団暴行事件の容疑者として、17歳になるジム(ジェームス・ディーン)が泥酔状態で警察に連行されます。そこには夜間外出で補導されたジュディ(ナタリー・ウッド)や、子犬を撃って連行されたプラト(サル・ミネオ)らもいました。
ジムの一家は転居を繰り返し、最近になってこの街にやってきました。彼の父(ジム・バッカス)は意志が弱く、気性の激しい母(アン・ドーラン)が家庭を仕切っていました。
翌朝、新しく通うことになったドーソン高校への登校途中、ジムはジュディに出くわしますが、彼女は見るからに不良のバズ(コリー・アレン)、ムーズ(ニック・アダムス)、クランチ(F・マゾーラ)らと登校します。
野外授業でプラネタリウム館に出向いた学生たち。しかし不良たちに目をつけられたジムは、彼らのボスであるバズに喧嘩を売られ、ナイフを持っての争いとなりますがその場は事なきを得ます。しかしおさまらないバズは、ジムに「チキン・レース」という度胸試しを提案します。
夜の8時。約束の時間に仲間たちと待ち受けるバズの待つ断崖の丘にやってきたジム。はたしてチキン・レースはスタートし、すんでのところでジムは車から脱出しますが、洋服の袖が引っかかり車から出られなかったバズは、車と共に断崖の下に落下してしまいます。
本作の見所は、何といってもジェームス・ディーン。彼の持つその魅力が、これでもかといわんばかりにスクリーンに映し出されます。遺作とかだからではなく、そういう意味では彼を最も観る事のできる、いや魅せられる最高傑作ではないでしょうか?
ナタリー・ウッド、美しいです。デニス・ホッパー、若いです。(^_^;)
で、本作が私たちに訴えるものは、父性復活の必要性とでもいいましょうか、人の生きることの基本である家庭、そして子供にとっては地域と学校、大人は職場における「父性」の必要性や大切さ。
それは、「男性」の象徴である力ではなく、普段は「静」としながらもいざというときは「芯」を持ち動じることなく敵をはねつけ味方を受け入れる寛容さ。それはジュディに対する彼自身の言葉でも語られます。
21世紀になり、世界はますます混沌と混乱を迎えています。こんな時、家庭に、あるいは会社に、そして国家に、必要なものはこの「父性」なのではないでしょうか?
「タフでなければ生きてゆけない。優しくなければ生きている資格がない。」
これは探偵フィリップ・マーロウのセルフですが、つまりはそういうことではないでしょうか?反省・・・
出演:ジェームズ・ディーン,ナタリー・ウッド,ジム・バッカス,アン・ドーラン,ロチェル・ハドソン,ウィリアム・ホッパー,サル・ミネオ,コリー・アレン,デニス・ホッパー,ニック・アダムス,エドワード・プラット,フランク・マッゾラ
監督:ニコラス・レイ 1955年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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