2011.01.20
Speed 2: Cruise Control 邦題:スピード2
大ヒットとなったノンストップ・アクション作品「スピード」の続編。前作主人公を演じたキアヌ・リーブスが降板したため、代わりにジェイソン・パトリックが出演。
前作スピードで知り合ったジャックと別れたアニー(サンドラ・ブロック)は、新しい恋人アレックス(ジェイソン・パトリック)に夢中。
沿岸パトロールの軽微な仕事だと彼女に話していたアレックスでしたが、実は彼はSWATの隊員。命を張った犯人逮捕の現場に出くわしたアニーは、彼の危険な仕事に怒り心頭。お詫びと言うことで彼はアニーをカリブ海クルーズの旅に誘います。
彼らと共に豪華クルーズ客船シーボーン・レジェンド号には、ゴルフバッグを持った何やら訳ありな男ガイガー(ウィレム・デフォー)も乗船していました。
実は彼は、この船のコンピュータ制御システムを設計したエンジニアでしたが、病気を患い会社を首になり、船をのっとる計画を立てていました。
船長を殺害したガイガーは、船内のあちらこちらに爆弾を仕掛けそれを爆破してゆきます。船の制御システムを自らのコンピュータに切り替えた彼は、一等航海士ジュリアーノ(テムエラ・モリソン)らに乗客を降ろすよう指示し、船をのっとったことを宣言します。
最後のボート脱出前に船が動き始め、アニーやジャック、そして10人ほどの乗客が船に取り残されます。
一方、船内で行われていたジュエリー・コンベンション用の宝飾品が保管された金庫からダイヤなどを盗み出したガイガー。彼のプログラミングにより、船は自動操縦でセント・マーティン島の岩壁に向かって突き進んでいました。
前作の息詰まるノンストップ・アクションを受けての2匹目のドジョウ。今回は前回の4倍近い制作費をつぎ込み、一台のバスを豪華クルーズ船に変えてこのドジョウを狙ったのですが、逆に本シリーズがいかにB級だったかを証明する結果になってしまいました。
キアヌ・リーブス降板を受けてサンドラ・ブロックを主役に据えた事で、物語は非常にあいまいなことになってしまい、また彼女がキーマンでもないために彼女らしい笑いの小ネタも不発。
カリブ海を突き進む大型客船ということでヤン・デ・ボン監督の俯瞰的カメラワークは効果的なシーンもありますが、迫力あるシーンを積み重ねようとするあまり、画面がぐちゃぐちゃで何が起こっているのか良くわからない。とにかく、ドガーン、グワーンと何かが起こっている様子・・・。
しかも、船が動いていることが重要なシーンで、どうしても動いているようには見えない展開だったり、細かい矛盾が積み重なってしまい、ついつい観ているほうはしらけてしまう。まあそこまでシビアーに見なくても、本作が2匹目とならなかった理由はわかるような気がします。
主演男優のジェイソン・パトリック、地味ですねぇ~。出演作品も少ないのですが、味わいもない俳優さん。
彼のキャリアの数十倍の経歴を持つ、悪役専門のウィレム・デフォー。「ストリート・オブ・ファイアー」に始まり、「プラトーン」のあの熱演、「イングリッシュ・ペイシェント」や「アビエイター」での演技も印象的でした。
が、彼の良さというか「悪さ」も全く生かしきれていない。それは彼の乗っ取りの目的があいまいであると言う、致命的なことも要因となってしまっています。
今となっては、「スピード」を楽しんだ方でも特に見る必要はないかも!?サンドラ・ブロックのコアなファンの方に。
出演:サンドラ・ブロック,ジェイソン・パトリック,ウィレム・デフォー,テムエラ・モリソン,ブライアン・マカディ,クリスティーン・ファーキンス,マイケル・ジー・ヘイガーティ,コリーン・キャンプ
監督:ヤン・デ・ボン 1997年
音楽: マーク・マンシーナ
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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