2011.02.11
Стритрейсеры/Streetracers 邦題:ストリート・レーサー
ストリートレースに熱狂する若者とその裏でうごめく組織犯罪を描いたロシア製カーアクション映画。
かつて陸軍戦車部隊の操縦士だったステパン(アレクセイ・チャドフ)は今は退役し、サンクトペテルブルグにある父の経営する自動車修理工場で働いています。ある日、工場に車の修理に訪れた美しいカーチャ(マリーナ・アレクサンドロワ)に一目惚れしてしまいます。
しかしカーチャは、最近別れたドッカー(スタニスラフ・ボンダレンコ)に今だ未練がありました。彼は、夜な夜な町のあちこちで行われる車のレース「ストリートレース」の掛け金の胴元であり、集まる若者たちの中心的存在でした。
ある夜、レースに飛び入り参加したステパンは、天才的なドライビング・テクニックをドッカーに認められ、彼らの仲間入りをします。
自分の車のなかったステパンは、古いガズM20を改造してオリジナルカーを製作、かつてのソ連軍の名戦車からその名をとって「T-34」と名づけます。彼の車に対する純粋さを知るカーチャは、次第に彼に惹かれてゆきます。
一方ドッカーは、レースを利用して、ある組織から国際的な高級車盗難車両売買の仕事を請け負っていました。
フェラーリ348を筆頭に、メルセデス、BMW、日産、トヨタ、スバルなどの、いわゆるストリート・レーサーご用達の車が次々と登場し、昼に夜にサンクトペテルブルグの街中や郊外のオープンロードを走り回ります。
こういうシーンは、「ボーン・スプレマシー」でモスクワでの追走アクションを担当したヴィクトール・イワノフがアクション監督を務めており、シーン展開にもかの作品の香りがしなくもないですが、まあ所詮クラスが違いますよね!作品的には、横綱と幕下くらいの違いがあります。
一方、ステパンとカーチャの恋模様のシーンでは、流行の超ズームを駆使し明度の高い映像で、私小説風な独特の印象を出すことに成功していますが、まあちょっとしつこいかなと、二人の恋バナ・・・。
カーチャ演じるマリーナ・アレクサンドロワ、どこかで見たことある顔だと思い、えーっとターミネーターはクリスタナ・ローケンだし・・・と、思い出しました。某国営放送でやっていた「坂の上の雲」に登場する廣瀬中尉(藤本隆宏)のロシア人の恋人アリアズナ役で出てました。
先発のワイルド・スピードシリーズを意識したカットも多く、全体的にはロシア的といいますかコサック的といいますか、日本映画とはまた違った荒削りな部分が目立ちます。
まあ、アメリカでも日本でも、そして極東の北のロシアでも、一部の若者の志向や文化と言うのは同じようなものなんだなと思いますが、ロシア映画を見慣れていないせいか、どうもロシア語の会話に対して、違和感が先にたってしまう。
サンクトペテルブルグと言えば、ラスコーリニコフがさ迷い歩いた「罪と罰」の舞台となった街。時代が変われば、世相も変わるものですなぁ~。
まあ、車好き、ストリートレース好きの方が5本目くらいに見る映画。もしくは「坂の上の雲」を見て、マリーナのファンになったと言う奇特な方に。
出演:アレクセイ・チャドフ,マリーナ・アレクサンドロワ,スタニスラフ・ボンダレンコ,エルヴィラ・ボルゴヴァ,アレクセイ・グシコフ,ニコライ・シンダイキン
監督:オレグ・フェセンコ 2008年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」