2011.03.09

Movies

Driving Miss Daisy 邦題:ドライビング・MISS・デイジー

ユダヤ人の老婦人と黒人運転手の心の交流をコミカルに描いたヒューマン・ドラマ。アカデミー賞作品賞・主演女優賞・脚色賞・メイクアップ賞受賞作品。他にもゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞、ベルリン国際映画祭最優秀競演賞受賞。

戦後間もない1948年のジョージア州アトランタ。元教師のユダヤ人老婦人デイジー・ワサン(ジェシカ・タンディ)は、買い物に出かけようと車に乗り込みますが運転を誤って隣家の庭に突っ込んでしまいます。

driving_miss_daisy.jpg祖父が創業した製糸工場を引継いで経営する息子のブーリー(ダン・エイクロイド )は、母に運転手を雇うように勧めますが、彼女は聞く耳を持ちません。しかし母を心配した彼は、初老の黒人ホーク(モーガン・フリーマン)を運転手として母の元にゆかせます。

最初、意固地になってホークを無視したり拒絶していたデイジーでしたが、遂にある日、ホークの運転する車に乗り込みます。そして、気取らずまじめな彼の人柄に触れ、やがてどこに行くにもホークの運転で出かけるようになります。

ある日、アラバマ州に住む兄の誕生日を祝うため、ホークの運転で出かけた二人は、途中で警察官の職務質問を受け、アメリカ南部に根強く残る人種差別を実感することになります。それは黒人だけでなく、ユダヤ人に対する偏見でもありました。

戦後のアメリカビジネス界で成功を手にしたユダヤ人家族と、根強い人種差別の中で満足な教育も受けることのないまま使用人として暮らす黒人たち。しかし時代は60年代から70年代へ。アメリカにおける人種差別問題も確実に新しい変化を見せつつありました。

そういう時代の流れの中で、対極で暮らす二人の間に芽生える信頼関係。立場の違いは何をして暮らすかの違いでしかなく、いずれにしても人は「なんとか暮らし」ながら、触れ合い支えあう心を求めている。

特筆すべきは主演のモーガン・フリーマンの演技です。そして彼とジェシカ・タンディのコンビネーション。二人が押し黙ったまま、車の前後シートにおさまっているシーンは最高です!

ジェシカ・タンディは主演女優賞やメイクアップ賞を受賞していますが、個人的にはそれほどのものとは思えませんでした。

黒人とユダヤ人というシリアスな問題をコミカルに描けたのは、ダン・エイクロイドによるところも大きいのですが、それだけでなく脚本賞を得た二人の会話とその演技のなせる技でしょう。

作品としての存在意義は★4つだと思います。

出演:モーガン・フリーマン,ジェシカ・タンディ,ダン・エイクロイド,パティ・ルポーン

監督:ブルース・ベレスフォード 1989年

脚本:アルフレッド・ウーリー

原作戯曲:アルフレッド・ウーリー

BOSS的には・・・★★★☆☆

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