2011.03.11
Giulietta Degli Spiriti 邦題:魂のジュリエッタ
イタリアの巨匠、映像の魔術師フェデリコ・フェリーニ監督によるドラマというよりは映像作品。主演は彼の妻で「道」でジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナ。
ローマ郊外の閑静な邸宅にする中年夫婦ジョルジョ(マリオ・ピス)とジュリエッタ(ジュリエッタ・マシーナ)にとって、今日は大切な結婚記念日。ジュリエッタは着飾って夫の帰宅を待ちわびていました。
招かれざるたくさんの友人たちを連れて帰宅した夫に、二人水入らずで静かに過ごそうと思っていた彼女は、にぎやかな人たちに囲まれながら次第に気分が滅入ってゆきます。
貞淑で献身的、結婚当初と変わらぬ気持ちを持ち続けている彼女は、周りからは理想的な妻と言われています。しかしその夜は、老いてきた鏡に映る自分と語り合ううちに、いつしかとめどない妄想が広がってゆきます。
幻想の世界の中では、子供の頃の記憶や寓話のような世界が繰り広げられます。そして現れる幻は、時に夫ジョルジョを誘惑し、脅迫し、あるいは荒唐無稽なものだったりしました。
そしてある日、夫の素行調査を依頼していた興信所から連絡があり、彼女は受け入れがたい夫の不義を目の当たりにします。
「道」「甘い生活」そして「8 1/2」とやってきて本作「魂のジュリエッタ」です。ただ作風はどの作品とも異なります。
夫の浮気と妻の憂鬱という、あまりにも日常(茶飯事と言う意味ではなく)的な出来事
を題材に、「映像の魔術師」がどのようなイリュージョンを見せてくれるのか?否が応でも期待が高まります。
しかし正直面白くなかった。物語は前述のとおりのありきたりのテーマですし、映像としても当時としては斬新なアングルやカットだったのかもしれませんが、現代の視点から見ればかえって異質なもののつぎはぎのように見えてしまいます。
ジュリエッタ・マシーナ、「道」でのあの演技が頭にこびりついてしまっていて、下膨れの頬を見ても、短い腕を見てもジェルソミーナが浮かんできてしまう。フェリーニ初のフルカラー作品だったのですが・・・。
音楽はニーノ・ロータなのですが、クレジットを見なければ気づかなかった・・・。
ということで、アマチュアの私などには、どう評価してよいのか全く取り付く島のない作品でした。見る人が見れば、★5つなのかも?
出演:ジュリエッタ・マシーナ,サンドラ・ミーロ,マリオ・ピス,シルヴァ・コシナ,ルイザ・デラ・ノーチェ,カテリーナ・ボラット
監督:フェデリコ・フェリーニ 1965年
音楽:ニーノ・ロータ
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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