2011.03.08
MARCELLO, UNA VITA DOLCE 邦題:マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶
イタリア映画界が生んだ名優、マルチェロ・マストロヤンニの俳優人生を描いたドキュメント作品。
1924年、北イタリアの小さな町の家具職人の子として生まれたマルチェロ・マストロヤンニは、兵役を経て終戦後に映画界に入ります。24歳のとき巨匠ヴィスコンティにその才能を見出され、「レ・ミゼラブル」で映画デビューします。
そして、35歳のときにフェリーニ監督の名作「甘い生活」に主演。世界的な名声を得ることになります。
イタリアでは彼と仕事をしなかった監督はいないと言われ、またインタビューに登場するすべての関係者の証言から、彼がいかに周りの人々から愛されていたのかがわかります。
争いや暴力を嫌い、常に冷静に自分と周りを捉えていた静かな男。一方で、フェイ・ダナウェイやカトリーヌ・ドヌーヴなどの大物共演女優との浮名を流しながら、「ラテンラヴァー」と呼ばれることを心底嫌った彼。
そんな彼がすべての人たちに愛される理由は、彼の映画に対する普段着の真剣さと、「映画は少年の心を持ち続けながらする仕事だ」と語る彼が生涯持ち続けた人間としての初々しさにあるのでしょう。
マストロヤンニといえば、ソフィア・ローレン。イタリアを代表するこの二人の作品と言えばやはり何といっても「ひまわり」です。そして私にとっては、歴代の映画俳優で古今東西を問わずただ一人、いやらしくないわずらわしくない、つまり美しいキスシーンを見せてくれる俳優さんでした。
等身大の男が心に秘めつつ見せる「やさしさ」。まさにワン・アンド・オンリーな俳優さんでした。
ヴィスコンティ、フェリーニたちという「芸術性」の対極で、「イタリア映画」を支えてきた彼がこの世を去ってもう10年になります。
出演:バルバラ・マストロヤンニ,キアラ・マストロヤンニ,アルマンド・トロヴァヨーリ,クラウディア・カルディナーレ,ルイジ・マーニ,ジュゼッペ・トルナトーレ, フェデリコ・フェリーニ,ルキノ・ヴィスコンティ
監督:マリオ・カナーレ,アンナローザ・モッリ 2007年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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