2011.03.07

Books

「黄色い部屋はいかに改装されたか?」都築道夫著

詩とかよくできた恋愛小説とかの対極にあるのがビジネス書や趣味の実用書となるのかもしれません。で、そこまで振らなくて、あくまでも創作物の世界で限定すれば、対極にあるのが推理小説だと思います。

ところが推理小説といってもその範囲は広く、「怪奇小説」なども事件と探偵か警察が出てくれば推理小説のジャンルに収まってしまう。で、私の推理小説の定義は「論理の妙」が骨子となるフィクションとなります。

それでも、古今東西さまざまな作家のさまざまなテイストの小説があるわけですが、私自身は犯人のトリックよりも惹きつけて止まぬ謎と、その必然性論理性がすべてというスタンス。実はこういう読み方を教わったのが、この書物だったのです。

タイトルの元となったのは、先日もこのブログで紹介したガストン・ルルーの「黄色い部屋の秘密」。で、この著書はその解説本ではなく、都築氏(本名 松岡巖氏)の自らの作風と推理小説のあるべき姿について語ったエッセイ集です。

最近、「推理小説を読んでます」なんて人を見かけなくなりました。私が若い頃は、JAZZ喫茶に巣くって、日がな一日、推理小説に没頭している輩がずいぶんいたのですが・・・。

最近は、誰かに何かを伝えるためには数十文字の制限があるようですから・・・。

黄色い部屋はいかに改装されたか?
都筑 道夫

晶文社
1998-04
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