2011.03.26
笑の大学
太平洋戦争間近の東京浅草を舞台に、喜劇舞台作家と警察検閲官のやりとりを巡るコメディ。どうでもいいでしょうが、日本アカデミー賞優秀主演男優賞・優秀脚本賞受賞作品。
昭和15年、芝居小屋が立ち並ぶ東京の下町浅草。次の舞台の台本である「ジュリオとロミエット」の検閲を受け上演許可をとりつけるため、座付きの喜劇作家である椿一(稲垣吾郎)は警察を訪れます。
担当は新しく検閲官となった向坂睦男(役所広司)。「笑い」を全く理解しない彼は、椿の台本を上映禁止にするために無理難題を押し付けてきます。
検閲を恐れずに上映禁止を受けることを苦にしないやり方ではなく、椿はなんとか検閲を受けながら自らの作品を上映するというやり方で自らの道を通そうとします。
向坂の嫌がらせに近い訂正指示にもかかわらず、椿は徹夜して翌日には修正した台本を警察に持ち込みます。
そんな椿の熱意と次第によりよく改編されてゆく台本。そして二人の間には「喜劇」を通して友情のようなものが芽生え始めます。
そしていよいよ「許可」が下りる日、親しさの仲で椿はつい、検閲により笑いを弾圧する体制批判の言葉を口にしてしまいます。
原作は三谷幸喜の舞台作品。ということもあってか、基本的には役所広司と稲垣吾郎の取調室の机を挟んでの2時間という作品です。
ということで、ほとんど動きのないシーンが続くわけですが、台本の面白さとさすがの役所広司の名演で、笑いありそこそこの感動ありの作品となっています。ゴローちゃん、完全に役所さんにおんぶにだっこです。
まあもう一歩何かどっちかに踏み込めば、それはまたそれなりの作品になったのでしょうが、そうなると舞台劇的な軽快感が失われてしまうんでしょうね。そういう意味では、軽く笑えて三谷ワールドを楽しめるそれなりの作品ということでしょう。
太平洋戦争に巻き込まれんとする舞台界・演劇界・・・とかいう作品では決してありません。
出演:役所広司,稲垣吾郎,高橋昌也,小松政夫,石井トミコ,小橋めぐみ,長江英和
監督:星護 2004年
脚色・原作:三谷幸喜
BOSS的には・・・★★★☆☆
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