2011.03.21
When a Man Loves a Woman 邦題:男が女を愛する時
アルコール依存症の妻と彼女を支える夫が、さまざまな障害を乗り越えて本物の愛を見つけるドラマ。メグ・ライアン主演ですが、お得意のラブコメではありません。
一人娘を持ち教師の仕事をしていたシングルマザーのアリス(メグ・ライアン)とパイロットのマイケル(アンディ・ガルシア)が出会ったのは混んだ昼間のバーでした。その後二人は結婚、前夫の子供ジェス(ティナ・マジョリーノ)とマイケルとの間に生まれたケイシー(メイ・ホットマン)の4人の生活。
しかし夫がフライトで家を空けがちなこともあり、アリスは寂しさ孤独感を酒で紛らわすようになります。朝から酔った状態のアリスに苛立つマイケル。そしてマイケルが出張中のある日、彼女は帰宅後シャワー室で酔って倒れて救急搬送されます。
重度のアルコール依存症と診断された彼女は、夫に連れられてサナトリウムに入院することになります。禁断症状と戦うアリス。一方のマイケルは、仕事と家事や育児で心身ともに疲弊してゆきます。
依存症から順調に回復した彼女は無事退院。しかしアルコールを欲する気持ちと戦い続ける彼女と、妻をかばい負担を背負いすぎたマイケルは、また元のように衝突を繰り返すようになり、とうとう別居することになります。
私は根っからの下戸ですので、アルコールがなくておかしくなることはまずあり得ないのですが、世の中には結構アルコール依存症の方がいらっしゃるとか?なんでも毎晩晩酌をしないといられないのは、予備軍らしいですね。
社会問題ともなっているこのアルコール依存症で、崩壊の危機を迎えた一組の夫婦が、優しさを振り絞り、それでも普通の人間としてぶつかり合い、力をあわせてそれを乗り越えてゆくドラマです。
キーワードは「理解」でしょうか?そういう視点で見れば、いろんなことが見えてきます。そもそも論ですが、理解のための厚い壁が立ちはだかる「男と女」、親と子供、それも連れ子と父親、などなど。
リアリティから言えば、二人には身寄りはいないの?というような野暮な話もあるかもしれませんが、そういう人たちが入ってくれば物語はややこしくなるだけですから、原作どおりなのかその辺はばっさり。
そして夫婦と二人の子供にキャラクターを絞ったことで、なかなか深みのある作品になりました。
ゴッドファーザーのアンディ・ガルシアにラブコメ女王のメグ・ライアンというのは、基本プロットからすればミスキャストと思われるかもしれませんが、逆に必要以上にヘビーな気持ちにならずに観ることが出来ます。
そして依存する対象をアルコールだけでなく、身近にあるものに置き換えれば、私たちは月日の過ぎる中でいろんな大切なものを見失っているかもしれないことを、あらためて思い起こさせる作品でした。
出演:アンディ・ガルシア,メグ・ライアン,エレン・バースティン,ティナ・マジョリーノ,メイ・ホットマン,ローレン・トム
監督:ルイス・マンドーキ 1994年
BOSS的には・・・★★★☆☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」