2011.04.09
ショパン スケルツォ第3番 嬰ハ短調 作品39(1839年)
週末土曜日、会社はお休みですが朝からお仕事。社員さんたちもがんばってくれています。そんなみんなに、がんばった1週間への感謝と来週に向けてのエールを込めて。今夜はショパンのスケルツォ第3番です。
ジョルジュ・サンドとの運命的な出会いから3年後。ショパンとサンド、そしてサンドの2人の子供と共に人目を避けるようにパリを出て療養をかねて訪れたマジョルカ島。
しかしちょうど雨季であることも重なり、ショパンの病気が再発し、喀血を繰り返すようになります。
病苦との闘いの狭間に作られたこの曲は、彼らしい調性の不明瞭な大胆な序奏で始まります。
どこかしらベートーヴェンを思い起こさせるような第1主題を経て、第2主題はレースのような下降旋律のコラールとなります。
この美しい旋律により、日本ではこの曲を「すだれ」と俗称します。
美しさはそのままに、変化に富む転調を繰り返した楽曲は、最後は劇的で感情的なコーダに至り終焉を迎えます。
この曲、1曲だけでもショパンの名を世に残せたであろう7分間のドラマです。