2011.04.26
Lilies of the Field 邦題:野のユリ
一人の黒人男性がヨーロッパからアメリカに渡ってきた修道女たちのために教会を建てるべく奮闘するヒューマン・ドラマ。ウィリアム・バレットの原作の映画化。アカデミー賞主演男優賞受賞作品。
車で一人、気ままな旅を続けていた黒人青年ホーマー(シドニー・ポワチエ)は、アリゾナ砂漠のはずれでエンストをおこし、ヨーロッパの各地からアメリカに渡り荒地を耕す修道女たちと出会います。彼女たちは無一文ながら、荒地に教会を建てるという無謀な計画を抱いていました。
ホーマーは水を分けてもらい、代わりに雨漏りの修理を頼まれます。翌朝、家の外で寝ていた彼は院長のマリア(リリア・スカラ)からたたき起こされ、断るすべもなく教会を建てるよう命じられます。
気のいいホーマーは、院長たちの熱意と信念に押し切られ、教会建築を引き受けることにします。
資材は修道女たちが集めることになりましたが、一向に物が集まりません。村の建設会社で週の2日だけ働くことにしたホーマーでしたが、建設は嬉々として進まない。ついに彼は院長と衝突し、彼女たちの元から立ち去ってしまいます。
一応、アカデミー賞受賞作品ですし、まあ文芸的な秀作なのですし、黒人対ヨーロッパ移民という設定ではありますが、この時代にこういう作品を世に出したハリウッドとそれを認めたアカデミーに敬服。
しかしながら、シドニー・ポアチエ演じるホーマーはあまりにもいい人過ぎるし、協力するのが英語のわからないメキシコ人たちとはいえ、あまりにも天下泰平すぎるような気がします。
アリゾナにこれほどのメキシコ人がいたのかとも思えるし、移民ばかりの村に住むアメリカ人(?)もいい人ばかり・・・。
案の定、シドニー・ポアチエは当時、黒人社会では評判が悪かったそうです。黒人初のアカデミー俳優なのですが・・・
私的にはやはり、ロッド・スタイガーと共演した「夜の大走査線」ですな。
とはいえ、正論を正しく受け止められるそれなりの作品ですので、お子様とご一緒に!
出演:シドニー・ポワチエ,リリア・スカラ,リザ・マン,アイサ・クリノ,フランセスカ・ジャービス,パメラ・ブランチ,スタンリー・アダムス
監督:ラルフ・ネルソン 1953年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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