2011.04.06
Midnight Cowboy 邦題:真夜中のカウボーイ
大都会の暗部にあえぐ二人の若者の生き様を描いたドラマ。アメリカン・ニューシネマの代表作のひとつ。アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞受賞作品。
金持ち女の相手をして富を得ようと、テキサスの片田舎からニューヨークに出てきたジョー(ジョン・ヴォイト)は、カウボーイ・スタイルで道行く裕福そうな婦人に声をかけますが相手にされず、うまくいったと思えば逆に金をふんだくられる始末。
しょげている彼に声をかけてきたのは、足の不自由なラッツォ(ダスティン・ホフマン)でした。売春の斡旋をしてくれると言うことで手数料を払って胴元を尋ねます。相手がただの男色家だとわかったジョーは、逃げたラッツォを捕まえますがすでに渡した金は使い果たしていました。
持ち金を使い果たしホテルを追い出されたジョーは、ラッツォの住処に転がり込むことになります。狙ったような仕事もなく、万引きで食い扶持のしのぐ二人の奇妙な共同生活。しかし、ラッツォは病魔に置かされていたのでした。
1969年といえばベトナム戦争の真っ最中。大義なき戦争の渦の中で生まれた反体制運動と、同時平行的に湧き上がった民権運動。反体制的な若者を描いたハリウッドのムーヴメントが「アメリカン・ニューシネマ」でした。「パラダイス」はつきません。(^_^;)
「俺たちに明日はない」「イージー・ライダー」「明日に向かって撃て」、そして本作でも主演していたダスティン・ホフマンの出世作「卒業」。
その「卒業」でのベンジャミン役とはうって変わった彼の演技がとにかく素晴らしい。そして相方のジョン・ヴォイトの演技とのバランスもぴったりです。
ニューヨークの最下層で生まれ育った若者と、富を夢見て南部の田舎方出てきた若者。二人の間には「友情」らしきものが芽生えるのですが、それをただの「仲良しクラブ」にまで表面化していないところがまた渋い。いわゆる「バディ映画」のハシリなのかもしれませんね。
主題歌のニルソンが歌う「うわさの男」がいい!とにかく「アメリカン・ニューシネマ」は、どれを観てもやるせないのですが、本作も1、2を争うやるせなさ、とことんやるせない。しかし、確かにハリウッドの歴史に残る作品のひとつです。
出演:ダスティン・ホフマン,ジョン・ヴォイト,シルヴィア・マイルズ,ジョン・マクギヴァー,ブレンダ・ヴァッカロ,バーナード・ヒューズ,ルース・ホワイト
監督:ジョン・シュレシンジャー 1969年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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