2011.04.30
のだめカンタービレ 最終楽章
大ヒットした二ノ宮知子の同名コミックをテレビドラマ化し、日本中に「のだめブーム」を巻き起こした作品の映画化作品。といっても全体のストーリーの終結部分の前編・後編の2部作です。
プラティニ国際音楽コンクールで優勝した千秋真一(玉木宏)は、若き日のシュトレーゼマン(竹中直人)が指揮を務めた「ルー・マルレ・オーケストラ」の常任指揮者となります。
フランク(ウエンツ瑛士)と連れ立ってマルレ・オケをにいく千秋でしたが、楽団員の質の低さとまとまりのなさに愕然とします。
歴史のあるオケではありましたが、資金不足で練習もままならず、客は減りという悪循環に陥っていたのです。
一方、千秋に同行してピアノ留学を果たしたのだめ(上野樹里)は、フランク、ターニャ(ベッキー)、黒木(福士誠治)と共に、音楽学校コンセルヴァトワールの進級試験を控え、日々練習に励んでいました。
常任指揮者就任前に急遽、定期演奏会でタクトを振ることになった千秋でしたが、結果は惨憺たる物でした。
私のようなクラシック好きで、ラブコメ大好き人間だけでなく、それまで学校教育以外にクラシック音楽には触れられていなかった方々も含め、多くのファンをつくった「のだめシリーズ」。
それには、上野樹里と玉木宏により、コミックスのあの独特の世界観の再構築に成功したテレビシリーズがありました。
そして長いシリーズの最終章、ヨーロッパ編を映画化した本作は、テレビシリーズよりもさらに割り切った構成と視覚効果により、コミックスやテレビシリーズとはまた異なった新たな世界の構築に成功しています。
ふんだんに織り込まれたクラシックの名曲たち。特にテーマとなったベートーヴェンの7番と、エンディングのガーシュインは誰もが知る曲に格上げとなりました。
このクラシックをベースにしたと言うところが原作の新機軸であり、まあ中身はどうあれ途中で解説される作曲家や名曲のコメントも新しい物語の形として、クラシックファンの裾野を広げることに一役かいました。
とにかく、泣いたり笑ったり、そしてクラシックの名曲たちの溢れたラブコメ。そうそう、本シリーズの基本はラブコメだったんですよね!エンディングを観ればよくわかります。
あまりにも日本的とはいえ、なかなかの出来では?ああ、それも「のだめファン」の贔屓目かもしれませんが・・・。
出演:上野樹里,玉木宏,瑛太,水川あさみ,小出恵介,ウエンツ瑛士,ベッキー,山田優,なだぎ武,竹中直人
監督:武内英樹 2009年 2010年
原作:二ノ宮知子
BOSS的には・・・★★★☆☆
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