2011.07.18
ベートーベン 交響曲第7番 イ長調 作品92(1813年)
最近、何となくベートーヴェンを聞くことが多いのは、迷走しかけている自分を基本に引き戻そうとする自己防衛本能でしょうか?(^_^;)今日は7番交響曲です。
ベートーヴェンと言えば、運命交響曲と刷り込みをされた昭和の義務教育。そしてあの頑固で気難しそうな肖像画。
ところが今の若い方は、ベートーヴェンと言えばこの7番。そしてのだめと千秋のコミカルな音楽ドラマ・・・。まあ、それはそれでクラシックの裾野を広げ、またベートーヴェンを親しい関係においたということでは、大変な功績です。
で、今日はその7番。彼の9曲の交響曲の中でも最もリズミカルな作品です。5番運命交響曲や6番田園交響曲で試みたさまざまな取り組みにより、抽象的な構築と具象的な描写というトレードオフをまとめ上げた彼が、再び正当な交響曲に立ち返った作品であり、ゆえにこの曲の評価もさまざまです。
ワグナーはこの曲を「舞踏の聖化」と絶賛しましたが、一方ウェーバーは「彼はいまや精神病院行きだ!と酷評しました。
まあそういうお偉い方の言い分は置いといて、とにかく彼の全交響曲中、最も親しみやすい曲であることは確かで、ここからベートーヴェンの長い道のりに入ってゆけば、5番もまた第一楽章冒頭の有名な動機、「ジャジャジャジャーン」だけではないことに気が付かれるかも知れません。
ベートーヴェンと言えばすぐにフロトベングラーの名を上げる方がいらっしゃいますが、こういう親しみやすい曲をお勧めするのは、やはりウィーン・フィルのアンサンブルの妙がよろしいかと。
で、私のお勧めは、イッセルシュテット指揮VPO、1969年録音のデッカ版です。クレンペラーやジンマンの名前も取りだたされますが、とりあえずの1枚に。