2011.08.12
Batman & Robin 邦題:バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲
感情移入しやすいシリーズ第4弾。前作でスタッフ総入れ替えで望んだ新たなバットマン伝説が短命に終わり、今回は今をときめくジョージ・クルーニーにシュワルツネッガーまで登場する豪華キャスト作品としてリニューアル。781本目の映画投稿です。
ゴッサム・シティに現れた新たな怪人は、全てを凍らせるMr.フリーズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)とアイスメン軍団。彼らはゴッサム・ミュージアムを襲撃し、展示されていたダイヤモンドを奪おうとしていました。
実は彼は分子生物学博士で、不治の病に冒された愛する妻を救うための研究中に事故で怪人となり、愛する妻の特効薬の材料としてダイヤモンドを必要としていたのでした。
ゴードン警視総監(パット・ヒングル)の報せで現場に急行したブルース・ウェインならぬバットマン(ジョージ・クルーニー)とロビン(クリス・オドネル)。しかしMr.フリーズを取り逃がしてしまいます。
同じ頃、生真面目な植物学者のアイズリー(ユマ・サーマン)は食虫植物の毒液の中に突き落とされ、悪女ポイズン・アイビーとして生まれ変わります。
ゴッサム・シティを我が物とするため手を組んだMr.フリーズとアイビー。立ち向かうのはバットマンとロビン。そして病に倒れた秘書アルフレッド(マイケル・ガフ)の姪バーバラ(アリシア・シルヴァーストーン)がバットガールとして悪に立ち向かいます。
と、ここまで書くとかなり胸踊る方も多いのではないかと思いますが、個人的には正直マイケル・キートンのあのダークなヒーローとは別物の、まったく感情移入できない代物となってしまいました。
どうでもいいロビンに加え、本作ではバットガールまで登場。一方の相手方も大スターのシュワちゃんを起用したとはいえ、そのキャラはドタバタな大根役。
ギャグ満載なんだけど、どれもイマイチ切れが悪いし、ただの活劇が展開されているだけで、ゴッサム・シティの危機もあの正体を巡るどきどきも全くなし。
とにかく監督のジョエル・シュマッカー以下、「お前ら、ふざけとんか!金返せ!」と白目むいてのダルダルの2時間。
ということで、前作ともどもゴッサム・ミュージアムの倉庫に永久保管すべき作品と言いますか、シリーズ・ラインとしてはスピン・アウトの別物、別の余興と捕らえるべき作品。
そう感じたのは私だけではないようで、「ゴールデンラズベリー賞」の最低作品賞などの計9部門にノミネート。またその内の最低助演女優賞をバットガール役のアリシア・シルヴァーストーンが受賞いたしております。
興行的にも大失敗に終わった本作の後、第4作の「ビギンズ」製作までには、なんと8年間を要することになります。
ということで、シリーズの正統派のファンの方にはお勧めいたしません。ジョージ・クルーニーとシュワルツネッガーのファンの方に。あるいは、なんでもありのどたばたヒーロー物がお好きな方に。
ジョージ・クルーニー談:
「私のフィルモグラフィーから消したい一作」
ジョエル・シュマッカー談:
「前作を観て、今作に期待した人がこれを観て、失望したというなら、本当に謝罪したい。そんなつもりではなかったんだ。ただみんなに喜んでもらいたかっただけなんだ・・・」
出演:ジョージ・クルーニー,クリス・オドネル,アーノルド・シュワルツェネッガー,ユマ・サーマン,アリシア・シルヴァーストーン,マイケル・ガウ,ヴェンデラ・ケイ・ソームセン,エル・マクファーソン,ジープ・スワーンソン
監督:ジョエル・シュマッカー 1997年
BOSS的には・・・★☆☆☆☆
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