2011.08.01
COCOON 邦題:コクーン
老人ホームに暮らす老人たちと地球外生命体との交流を描いたファンタジーSF。アカデミー賞助演男優賞・視覚効果賞受賞作品。777本目の映画投稿です。
フロリダ州セント・ピーターズバーグにある老人ホームで暮らす3人の老人たち、アート(ドン・アメチ)、ベン(ウィルフォード・ブリムリー)、ジョー(ヒューム・クローニン)は、ホームの隣家にある空き家となっている屋敷の屋内プールで泳ぐことを日課にしていました。
一方、釣り船の船長ジャック(スティーヴ・グーテンバーグ)は、26日間船を借り受けたいと申し出てきたウォルター(ブライアン・デネヒー)という男の好条件に大喜びします。そしてウォルターは、ホームの隣の屋敷も借りることになります。
翌日、3人組はこっそりとプールに忍び込みます。プールには苔むした巨大な卵のようなものがいくつも沈んでいました。それはウォルターやキティ(ターニャ・ウェルチ)、フィルスベリー(タイロン・パワー・ジュニア)たちが、ジャックの船を使って海底から引き上げたものでした。
3人はそんなプールで泳いでいるうち、なにやら不思議と急に元気になり、ジョーは老妻アルマ(ジェシカ・タンディ)と、アートは元ダンサーのベス(グエン・ヴァードン)と、そしてベンも妻のメリー(モーリン・スティプルトン)とその夜、長らくぶりに夫婦生活を持ちます。
一方でキティに惹かれてゆくジャック。しかしウォルターもキティも、実はアンタレス星からやってきた地球外生命体だったのです。1万年前にアトランティス大陸と共に沈んだ仲間を助け出すために地球にやってきた彼ら。そしてそのまゆであるコクーンが、老人たちの回春の秘訣だったのです。
先に書いたように一応、アカデミー作品です。1985年のSFXも良く出来ていると思います。まあ、21世紀のレベルで見れば幼いわけではありますが。
で、本作は宇宙人云々というよりは、その近くで人生の最後の時を生きていた老人たちの暮らしがどんどん変わってゆくさまがメインとなっています。
そういう意味では、ドラマ的要素もあって助演男優賞にも繋がったのでしょうが、個人的にはどうも感心できない展開です。
ネタばれになるのですが、結果的に老人たちは永遠の命を得るために宇宙船に乗って地球を離れます。
不老不死は人類永遠の願望であり、誰しもそう望まない人間はいないでしょう。しかし人間は、この世に生まれ落ちた瞬間から「死」に向かって生きてゆくことになる。それは絶対的なことです。
だからこそのことがどれほどあるか?もし人が不老不死なら、子孫を残す必要もなくなるし、愛も宗教も必要なくなるかもしれません。
たしかに死に直面したくはありません。しかし、人生が有限だからこそ、そうだとわかっているからこそ、私たちは今を精一杯生きようとするのではないでしょうか?
映像的には、作品自体はさすがのロン・ハワード作品。が、個人的にはどうにも納得できない一作。続編など、なにをかいわんや・・・。
いやいや、普通の方には普通のSFファンタジーとしてお勧めしておきます。
出演:ドン・アメチ,ウィルフォード・ブリムリー,ヒューム・クローニン,ブライアン・デネヒー,ジャック・ギルフォード,スティーヴ・グッテンバーグ,モーリン・スティプルトン,ジェシカ・タンディ,グウェン・ヴァードン
監督:ロン・ハワード 1985年
音楽:ジェームズ・ホーナー
BOSS的には・・・★★★☆☆
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