2011.11.22
CHINATOWN 邦題:チャイナタウン
1930年代のロサンゼルスを舞台に、私立探偵が巻き込まれた殺人事件を通して、誰にも変えられない運命のさまを描いたフィルム・ノワール的映画。アカデミー賞脚本賞受賞作品。806本目の映画投稿です。
私立探偵ジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)の事務所に、ミセス・モーレイと名乗る女性が訪れ、ギテスに水道局局長である夫の浮気調査を依頼します。
モーレイの身辺調査を始めたギテスは、彼に娘のような若い恋人がいることを突き止めます。
また妻のイブリンの父であり町の実力者であるノア・クロス(ジョン・ヒューストン)と対立関係にあること、そこには広大な土地の水資源の利権問題が絡んでいることを知りますが、ギテスには浮気調査以外興味はありませんでした。
ところがモーレイの浮気が新聞に暴露され、弁護士を連れた本物のモーレイ夫人(フェイ・ダナウェイ)が事務所にやってきます。
そして数日後、モーレイは貯水場で溺死体となって発見されます。
基本的にはアメリカ西海岸を舞台にした殺人事件を捜査する探偵ものです。タイトルは「チャイナタウン」となっていますが、実際のチャイナタウンはエンディングに少し出てくるだけで、人間の生きるうえでのさまざまな相克と無力さなどの象徴として描かれています。
いわゆるフィルム・ノワール的雰囲気を残しつつも、さまざまな社会問題が織り込まれ、主役たちの強烈なキャラクターとともに今でも屈指の20世紀作品といえるでしょう。
私の大好きな男優ジャック・ニコルソン。若いです、当時37歳。まだまだあの大胆不敵さの露出度は低いですが、ワンアンドオンリーの存在感です。「カッコーの巣の上で」は翌年になります。
彼の作品では異色とも言えるフェイ・ダナウェイも、本作ではごつごつとした人間関係を伝えることに成功しています。ただ、ファム・ファタールというほどの役柄でもありません。
監督はポランスキー。まだまだあの鮮烈な映像美は開花していませんが、独特のカメラワークはさすがです。
探偵小説などで個人的に大好きなパターンの本格的探偵ものをあなたに。
出演:ジャック・ニコルソン,フェイ・ダナウェイ,ジョン・ヒューストン,ペリー・ロペス,ベリンダ・パーマー
監督:ロマン・ポランスキー 1974年
製作:ロバート・エヴァンス
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
BOSS的には・・・★★★☆☆
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