2011.11.04
SILVERADO 邦題:シルバラード
西部の町シルバラードを舞台に、4人のガンマンと町を牛耳る牧場主との対決を描いた西部劇的西部劇(笑)。800本目の映画投稿です。
執拗な追っ手の追跡を振り切ったエメット(スコット・グレン)は、仲間に裏切られ身包みはがされて砂漠の真ん中で下着姿で倒れているペイドン(ケヴィン・クライン)と出会います。
翌日、街に向かった二人。そこでペイドンは、かつてのアウトロー仲間であるコッブ(ブライアン・デネヒー)に出会います。彼から仕事話を持ちかけられますが、足を洗うつもりのペイドンは、姉一家の住むシルバラードに向かうというエメットに同行することにします。
途中立ち寄った町で、エメットの弟ジェイク(ケヴィン・コスナー)が、殺人の罪で牢獄の身となり明日にも絞首刑になると知らされます。
ペイドンと共に弟を助け出したエメットは3人で町から逃走します。保安官ら追っ手が間近に迫ってきますが、町の酒場で窮地を救った黒人のガンマン、マル(ダニー・グローヴァー)の加勢で無事に脱出に成功します。
途中、強盗にあった幌馬車隊と合流した彼等は、それぞれ違う目的で同じ町、シルバラードを目指すことになります。
西部劇と言えば、いいガンマンがえらい目に合いながら、町を牛耳る悪い奴らに立ち向かうと言うのがお約束。本作もその規範を決してはずしていない、本格派西部劇!?
で、有名な西部劇と違うのは、登場人物が全員どちらかと言えば名脇役たちだということ。
本作の3年後の作品「ワンダとダイヤと優しい奴ら」でアカデミー賞を受賞したケヴィン・クライン。でも助演男優賞なんですよね。彼はあのフィービー・ケイツの旦那様です。
スコット・グレンも有名な脇役さん。出演作は「地獄の黙示録」「レッド・オクトーバーを追え!」「羊たちの沈黙」「バックドラフト」「戦火の勇気」「ボーン・アルティメイタム」などなど。皆さんも、よく覚えてないけどドッカで見たような俳優さん。
本作がなんと売り出し中のケヴィン・コスナー。ちょっとおつむは弱いけど、めっぽう腕の立つ2丁拳銃使いを演じていますが、まあ援護としてはそれなりでしょうか?名脇役たちの演技に支えられている感ありです。
キャラのバリエーションのためにか珍しい黒人ガンマン(ライフル使い)として登場したダニー・グローヴァー。彼もこの後「リーサル・ウェポン」でブレイクします。
こちらも演技はイマイチのイルカそっくりの女優ロザンナ・アークエットは、「グランブルー」でジャックと恋に落ちるジョアンナ役に出てました。実は彼女は、かつてTOTOのスティーブ・ポーカロの彼女で、名曲「ロザーナ」は彼女の名前から取ったとか・・・。
ブライアン・デネヒーは、同年の「コクーン」で宇宙人のおっちゃん役を演じてましたね!
最後の超小柄で気丈な女性を演じたリンダ・ハント、彼女も実は本作の3年前の「危険な年」でアカデミー賞助演女優賞を受賞しています。
監督・製作・脚本はローレンス・カスダン。映画「ボディーガード」を皮切りに「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」などを手がけ、脚本家として名声を得た後、映画監督としてデビュー。私の大好きな「偶然の旅行者」など、独特の感性を持っている監督さんです。
西部劇と言えばわが国の水戸黄門シリーズのようなもの。つまりは勧善懲悪物語ですので、いかにいい人が虐げられ痛めつけられ、悪いやつが悪々しく、そして最後でスカッといくかにかかっているわけですが、そのあたりはちょっとわかりやすさを前面に出しすぎ、安直かもしれません。
まあまあB級といえばB級ですので、多少目をつむって見ていただく部分もありますが、あまり深刻になることもなく、またお子様などにも問題なしの娯楽西部劇として普通にお勧めいたします。
出演:ケヴィン・クライン,スコット・グレン,ケヴィン・コスナー,ダニー・グローヴァー,ロザンナ・アークエット,ジョン・クリース,ブライアン・デネヒー,リンダ・ハント
監督・製作・脚本:ローレンス・カスダン 1985年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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