2011.11.18
The Tailor of Panama 邦題:テイラー・オブ・パナマ
些細なことが国際紛争にまで発展するスパイものブラック・ユーモア・サスペンス。原作はジョン・ル・カレのスパイ小説。803本目の映画投稿です。
女性とギャンブルでパナマに左遷されたお払い箱目前のMI6のスパイ、アンディ(ピアース・ブロスナン)は、情報源になりそうなパナマ在住の英国人をコンピューターから検索し、紳士服の仕立屋ハリー(ジェフリー・ラッシュ)に目をつけます。
経歴詐欺と多額の借金を妻ルイーザ(ジェイミー・リー・カーティス)に隠している弱みに付け込んで、アンディはハリーに協力を強要します。
しかし夢想家であるハリーは、運河の利権をめぐる列強国の争奪戦と現政権に対する地下組織の存在を根拠もないまま口走ってしまい、アンディを通してMI6、さらには米国国防総省までもが動き始めます。
そんな中、ハリーは友人ミッキー(ブレンダン・グリーソン)と仕立て屋の従業員マルタ(レオノラ・ヴァレラ)が今も地下組織のヒーローであると告げ、アンディはお払い箱前の一攫千金を目論みますが・・・。
ジョン・ル・カレのベストセラー小説の映画化で、あの007のピアース・ブロスナンと映画「シャイン」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したジェフリー・ラッシュが競演とくれば、それだけでもう期待は天井を突き抜けた状態。
確かに、女性に手の早い伊達男のスパイと、ちょっと妄想癖のあるへんなおじさんという役柄にはなかなかのキャスティングではありますが・・・。
正直、何かが違う。アンディにはボンドの実はバックボーンである正義感とシャープさは皆無。そしてハリーにはヘルフゴットのような狂気はもちろんなくて、ただのへんなおじさん。
はたして映画化することがよかったのかどうかという原作を監督したのは英国人ジョン・ブアマン。ジョン・ル・カレが製作総指揮を取ってはいるのですが、両方とも映画には力量不足?ん・・・まだTVドラマレベルでしょうか?
死んでるミッキー役のブレンダン・グリーソンの手を胸に乗せると勝手に手のひらが開いたりするのは、A級なら完全に取り直しですよね!
ということで、私など足元にも及ばないピアース・ブロスナンのファンの方、もしくはコアなスパイ映画ファンの方にだけお勧めです。
出演:ピアース・ブロスナン,ジェフリー・ラッシュ,ジェイミー・リー・カーティス,レオノラ・ヴァレラ,ブレンダン・グリーソン,ハロルド・ピンター
監督:ジョン・ブアマン 2001年
製作総指揮:ジョン・ル・カレ
原作:ジョン・ル・カレ
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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