2011.12.12

Movies

Blade Runner 邦題:ブレードランナー

近未来のロスを舞台に、人造人間と一人の警官の戦いをフィルム・ノアール的に描いたSF作品。813本目の映画投稿です。

2019年のロス。人々は宇宙に移住し、残された下層の人々だけが暮らしていました。

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ある日、元警官でブレードランナーだったデッカード(ハリソン・フォード)は本署に呼び出され、元上司のブライアント(M・エメット・ウォルシュ)に、地球に侵入したレプリカントを見つけ出し抹殺するように命じられます。

レプリカントとは、宇宙探索や戦闘要員などの危険な労働に従事させるために遺伝子工学によって生産された人造人間で、感情を持ち始めたため製造して4年と言う死期もセットされていました。

そしてブレードランナーとは、レプリカントの犯罪捜査や反逆に備え、彼らを抹殺することを任務とする警官のことで、デッカードはレプリカントの正体を暴く能力も含め一流のブレードランナーでした。

否応なく任務を引き受けたデッカードは、レプリカント製造メーカーであるタイレル社を訪れ、レプリカントの生みの親であり同社の社長であるタイレル博士(ジョン・ターケル)と秘書の美女レイチェル(ショーン・ヤング)に会います。

デッカードのテストの意味で博士はレイチェルをテストさせ、彼女がレプリカントであることを見抜きますが、彼女自身はそれを否定します。

地球に侵入したレプリカント6体のうち未だに存在する4体を追うデッカードは、ショーダンサーに成りすましていたレプリカントのゾーラ(ジョアンナ・キャシディ)を射殺しますが、現場を目撃した仲間のレオン(ブライオン・ジェームズ)に襲われます。

あわやというところをレイチェルに助けられたデッカード。その後二人は、彼のアパートで結ばれます。

一方、レプリカントのリーダーであるバッティ(ルトガー・ハウアー)は、仲間のプリス(ダリル・ハンナ)とともにタイレル博士に迫ります。

1982年の作品です。すばらしいです。フィルム・ノアールというのは本来は50年代ごろの悲観的・退廃的な犯罪作品をさす事が多いのですが、本作はそのSF版といったところ。

人間に代わって危険なことをさせるために製造された人造人間が感情を持ち始めたために、生存期間を4年にした。ところが感情を持ち、仲間に対する愛情さえも持ち始めたアンドロイドたちは、「もっと生きたい」「愛する人を生かしたい」と願うようになる。

もちろんそこで、人類との軋轢が生まれるわけですが、現場の人間には善悪の判断はできない。ただ仕事だから命令だから任務を遂行する。胸を痛めながら。

そういう部分ではなかなか地味ですが、ずっしりとした作品。

で、劇中には日本人と思しき人間が結構登場したり、ネオンサインや広告類が日本語だったり、飛び交う会話や警察無線に日本語が聞こえたりと、「おお、日本贔屓な作品だ!」と大喜びするのは早計。ここは下層の町ですからね!

監督は、前年にエイリアンで大ヒットを飛ばしたリドリー・スコット。この人、弟も映画監督、そうあの「TOP GUN」のトニー・スコットです。

公開時はスピルバーグの「E.T.」と真っ向勝負で敗戦した本作も、中身があまりにもマニア受けしたため、今ではSF映画の金字塔と評されています。

その理由のひとつは、従来の輝かしい近未来都市ではなく、環境汚染で雨のやまない退廃的な町並みの提供。これはその後のSF作品に大きな影響を及ぼします。

SFファンの方に。ハリソン・フォードのファンの方に。

出演:ハリソン・フォード,ルトガー・ハウアー,ショーン・ヤング,エドワード・ジェームズ・オルモス,M・エメット・ウォルシュ,ダリル・ハンナ,ウィルアム・サンダーソン,ブライオン・ジェームズ,ジョセフ・ターケル,ジョアンナ・キャシディ

監督:リドリー・スコット 1982年

美術:ローレンス・G・ポール,デイヴィッド・L・スナイダー,シド・ミード

音楽:ヴァンゲリス

BOSS的には・・・★★★☆☆

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