2011.12.16
The Bridge on The River Kwai 邦題:戦場にかける橋
第二次世界大戦下の捕虜収容所を舞台に、日本軍の捕虜となったイギリス軍兵士と日本軍大佐のやり取りから、戦時下における人間の尊厳や戦争の意味を問う戦争ドラマ。アカデミー賞作品賞受賞作品。815本目の映画投稿です。
第二次世界大戦下のビルマ、タイ国境近くのジャングルの中にある日本軍捕虜収容所。所長の斉藤大佐(早川雪洲)は、捕虜の労役によりバンコクとラングーン間を結ぶ泰緬鉄道の橋梁をクワイ河に架けるよう司令部から命を受けていました。
ここに収容されていたアメリカ海軍の少佐シアーズ(ウィリアム・ホールデン)らは、脱走の機会をうかがっていました。捕虜となった兵士は脱走することがその使命でもありました。
ある日、ニコルスン大佐(アレック・ギネス)以下、イギリス軍の一隊が捕虜として連れてこられます。遅れている橋梁工事を押し進めるための労役供給でした。
一人でも多くの労力を必要とした斉藤大佐は将校を含む全員に労役を命じますが、ニコルスン大佐はジュネーブ協定に違反する行為だと命令を拒否し、灼熱の独房に監禁されます。
その夜、シアーズは仲間たちとともに脱走し、一人逃げ延びてコロンボにあるイギリス軍の病院に収容されます。
捕虜のサボタージュなどで工事が遅れていることに窮した斉藤大佐は、ニコルスンに翻意を促しますが、彼も軍人としての誇りを持ってこれに応じませんでした。
陸軍記念日の日、斉藤大佐はついに折れ、恩赦と称してニコルスンや将校たちの労役を免除することにします。
軍紀の乱れがちになっていた捕虜たちを鍛えなおす機会だと捕らえたニコルスンは、積極的に橋梁の建設に関わることになります。
そのころコロンボでは、日本軍の進軍を阻止するため、クワイ河に日本軍が架けようとしている橋の爆破作戦を計画していました。
当たり前のことかもしれませんが、「トラ!トラ!トラ!」以外そのほとんどが日本軍の敗戦模様を綴った太平洋戦争ものは、正直で切れば避けて通りたい。しかし、作品の選り好みはしたくないですし、歴史にしっかりと向き合うためにも、あえて観させていただきます。
しかし本作はそういう勝ち負けや勧善懲悪的なお話ではなく、戦時下における「男としての生き様」とは?見たいな部分を、違った意味で規律を重んじる日英両軍の将校と、ドライなアメリカ人兵士との対比の仲で描き出しています。
もちろん隠し味としては、ちゃんと戦争のおろかさみたいなものの伝えている。さすがはアカデミー作品です。
アレック・ギネス、いいですねぇ~。彼はこの後、「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」に出演、皆さんにはスターウォーズのオビ=ワン・ケノービが身近かも?
一方の優男、ウィリアム・ホールデン。彼も「慕情」でひしひしと泣かせてくれた役者さん。「サンセット大通り」や「麗しのサブリナ」で有名ですが、晩年は「タワーリング・インフェルノ」にも出てましたよね。
監督はデイヴィッド・リーン。「逢びき」「旅情」「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」など、この人も大好きな監督さんです。
冒頭に出てくる「クワイ河マーチ」も有名な映画音楽ですよ。
戦争映画というよりはヒューマンドラマとして、特に男性の方に見ていただきたい作品。
女性にはちょっとわかりにくいかも?男って、なんて馬鹿なんだろう・・・とか・・・(*^。^*)
出演:ウィリアム・ホールデン,アレック・ギネス,ジャック・ホーキンス,早川雪洲,ジェームズ・ドナルド,ジェフリー・ホーン,ピーター・ウィリアムス
監督:デイヴィッド・リーン 1957年
音楽演奏:ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
BOSS的には・・・★★★☆☆
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