2011.12.19

Movies

The Karate Kid 邦題:ベスト・キッド

一人の少年が、日本人から指導された空手を通して成長してゆく様を描いた青春映画。816本目の映画投稿です。

ニュージャージーから母ルシール(ランディ・ヘラー)と共に彼女の仕事の都合で、カリフォルニア州サンフェルナンド・バレーに引っ越してきた高校生のダニエル(ラルフ・マッチオ)。父親のいない彼にとって、母の仕事は生活そのものであり、その都合はやむを得ないものでした。

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下町のアパートに引っ越して早々、知り合った友人と浜辺でのパーティに参加し、そこでブロンドの美少女アリ(エリザベス・シュー)に一目ぼれします。

そこになだれ込んできたのはバイクに乗った不良少年たち。リーダーはかつてのアリの恋人ジョニー(ウィリアム・ザブカ)でした。

喧嘩になってこてんぱんにやられたダニエルは、その後も学校の内外で不良グループにことあるごとに痛めつけられる日々が続きます。

アリもダニエルに思いを寄せ始めますが、二人が近づくほどグループの暴力は増してゆきます。事態を打開するにはかつて少し学んだ空手をマスターするしかないと、街の道場「コブラ会」を訪れますが、なんとそこにはグループ全員が練習に励んでいたのでした。

ハロウィン・パーティの夜、ジョニーに悪戯をして捕まり、袋叩きにあっているダニエルを、同じアパートで修理屋をしている初老の日本人ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)に助けられます。

空手を教えて欲しいというダニエルの懇願に、「暴力は何も解決しない。」とそっけない返事のミヤギでしたが、二人で訪れたコブラ会道場で、ミヤギは2か月後に行われる学生空手トーナメントで決着をつけることで話をまとめてしまいます。

その日から、郊外にあるミヤギの家でダニエルの特訓が始まると思いきや、彼が命じたのは車の洗車に床磨き、そして塀のペンキ塗りでした。

公開当時はちょっとしたブームにもなった本作。その後もシリーズとして4作が作られ、2010年にはリメイク版まで出来ます。

物語は見るからに華奢な美少年がいつのまにか空手をマスターし、最後に選手権に臨むというもので、高校生同士のコイバナもあり、いわゆる青春ものではありますが、これがどうしてなかなか面白い。

ミヤギの指示にとにかく無抵抗で従う主人公の様子は、一歩間違えればデキデキ・チキンなのですが、ダニエルのキャラクター設定が功を奏し、ごく自然に物語が流れます。

今頃の少年だと、いじけて引きこもりや家庭内暴力に陥りそうな、そんな厳しい状況にあっても、すーっと自然に立ち上がって歩いてゆくダニエルの姿は、感動すらいたします。おじさんたちも見習わなければ・・・。

そしてそれぞれの喜怒哀楽もうまく織り交ぜながら、「空手」の持つ精神的なものを身に着けてゆく少年をオーバーではなく遅れ遅れで表現している点も、おじさんをして納得させる物語にしています。

監督はB級作品から1976年の「ロッキー」で一気にブレイクしたジョン・G・アヴィルドセン。そういえば、「ロッキーの空手版」とも言えなくもないでしょう。

高校生というよりは、今どきなら中学生の方に。もちろんスポーツ映画や青春ものが好きな方にも普通にお勧めします。

出演:ラルフ・マッチオ,ノリユキ・パット・モリタ,エリザベス・シュー,チャド・マックイーン,マーティン・コーヴ,ランディ・ヘラー,ウィリアム・ザブカ

監督:ジョン・G・アヴィルドセン 1984年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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