2012.01.05
伊豆の踊子
旧制一高の学生と旅芸人の踊り子との心のふれあいを描いた文芸作品の青春映画。川端康成原作の同名小説の6度目の映画化。818本目の映画投稿です。
大正末期の秋の伊豆。天城に向かう山道を旅する一高生の川島(三浦友和)は、旅芸人の一行に出会います。その中の一人の、太鼓を背負った古風な髪形の似合うかおる(山口百恵)に目をとめます。
彼らは故郷の大島を春に旅立ち、温泉街などを回って歌や踊りを披露しつつましい暮らしをしていました。始めは恥らっていたかおるも次第に打ち解け、下田まで行くという川島との旅を喜ぶのでした。
湯ケ野につき、一行の男手、栄吉(中山仁)と風呂に入っていた川島は、自分たちを見つけた川向の風呂に入っていたかおるが裸のまま立ち上がって手を振る姿を見て、その無邪気さにますます引かれてゆきます。
ある日、飼い犬を追って立ち入った古小屋で、粗末な夜具にくるまって寝ている幼馴染のおきみ(石川さゆり)と再会します。飲み屋で客を取らされ、不治の病となった今は疫病神扱いされているのでした。
やがて湯ケ野を離れた一行は、下田へと向かいます。そこは彼らがそれぞれの行き場所へともどってゆく場所でもありました。
川端康成の有名な文芸作品、というよりは山口百恵と三浦友和の共演があまりにも有名な作品です。そして例の風呂上りのシーンも・・・。
基本的には旧制一高生と旅芸人の踊り子と言う、叶わぬ恋、しかも若く淡い恋の物語です。さすがは文芸作品だけある構成・展開ですので、二人のネームバリューなくしてもついつい最後まで見てしまいます。
当時の「御三家」と言えば、山口百恵、桜田淳子、森昌子。しかしながら、3人の誰にも食指の動かなかった私にとっては、そういう意味での思いいれはありません。
まあまあ細かい部分では突っ込みどころもありますが、今ではいい夫婦となった二人の記念すべき作品の一本として、あるいは日本の大正ロマンの物語としてお楽しみください。
出演:山口百恵,三浦友和,中山仁,佐藤友美,一の宮あつ子,四方正美,石川さゆり,宗方奈美,田中里代子,有崎由見子,江戸家猫八,三遊亭小円遊,青空はるお,鈴木ヒロミツ
監督:西河克己 1974年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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