BOSS's Column

社交ダンスを通して札付きの高校生たちが次第に変わってゆく姿を描いた、実話に基づいた青春ダンス・ムービー。656本目の映画投稿です。

社交ダンス教室を経営し、自らも有名なダンサーであるピエール・デュレイン（アントニオ・バンデラス）は、ある夜駐車中の車を壊して走り去る高校生ロック（ロブ・ブラウン）に遭遇します。

翌日、問題児が多いことで有名なハーレムの高校に出向いた彼は、生徒たちに社交ダンスを教えることで更正に貢献したいと申し出ます。

翌日から、HIP HOPに夢中の若者たちに社交ダンスの音楽とステップを教える日々が始まります。

実は彼が子供たちに一番伝えたかったのは、社交ダンスに必要な、相手を尊重する気持ちの部分でした。

貧困の中で、自分たちの悩みを真剣に聞いてくれる大人であるピエールに、若者たちも次第に心を開いてゆきます。

アントニオ・バンデラスといえば、二枚目をアピールしたおちゃらけた作品が多いのですが、本作は実話に基づくシリアスなお話。とはいえ、劇中の華麗なダンスシーン、特にカティア・ヴァーシアスと踊るタンゴのシーンはワンダフルにセクシーで、社交ダンスはお年寄りの悪趣味と思っている方にも目からウロコです。

彼が始めたこの社交ダンスのプログラムは、今では数十校が採用するなど、若者の情操教育に貢献しているそうですが、大人になろうとする前夜の子供たちにとって、その自立を後押ししてやる暖かく、そしてまた厳しいまなざしと差し伸べる腕の大切さを改めて教えてくれる、なかなかの作品です。

青春ドラマと言うよりは、この世代のお子様をお持ちの大人たちに、ぜひ観ていただければ・・・。

出演：アントニオ・バンデラス,ロブ・ブラウン,ヤヤ・ダコスタ,アルフレ・ウッダード,カティア・ヴァーシラス,ダンテ・バスコ,マーカス・Ｔ・ボールク

監督：リズ・フリードランダー　2006年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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