2012.03.12
Edward Scissorhands 邦題:シザーハンズ
両手がハサミで出来た人造人間が巻き起こす騒動と、少女との恋の行方を描いたSFファンタジー。667本目の映画投稿です。
ある雪の降る夜、老女が孫娘のベッド脇で孫娘を寝かしつけていました。「どうして雪は降るの?」という孫娘の問いかけに、老女がある物語を語り始めます。
町から見える山上の古い屋敷に、一人の老発明家(ヴィンセント・プライス)が住んでいました。彼はエドワードという名の人造人間を作ることに成功しますが、両手がハサミで出来ていました。
町で化粧品のセールスをしているペグ(ダイアン・ウィースト)は、新しい客の開拓にと屋敷を訪ね、今は老発明家も亡く一人で住んでいるエドワード(ジョニー・デップ)を見つけ、家に連れて帰ります。
一家は夫ビル(アラン・アーキン)とペグ、高校生のキム(ウィノナ・ライダー)に小学生のケヴィンの4人暮らしでした。
両手のハサミを持て余していたエドワードでしたが、ある日庭木を動物の形に見事に刈り上げ、近所の犬や女性たちの髪までモダンにカットするようになって、一躍町の人気者になります。
キャンプに出かけていたキムも家に帰ってきますが、気味悪がってエドワードを毛嫌いします。
キムのボーイフレンドであるジム(アンソニー・マイケル・ホール)は、器用なエドワードを使って鍵のかかった父親の部屋に忍び込もうとしますが、警報装置が働き取り残されたエドワードは一人警察に取り押さえられます。
キムを気遣い一切弁明しないエドワード。しかしこの事件以降、町の人たちは彼とペグの一家を避けるようになります。
「エルム街の悪夢」で映画デビューしたジョニー・デップの「プラトーン」をはさんで6年後に作られた作品。27歳、若いです。独特な人造人間の演技が絶妙です。
まあ、彼の役者としての演技が評価されるようになったのは、93年の「ギルバート・グレイブ」あたりからですが・・・。
物語自体はざっくりした感じなのですが、色や形など結構演出には配慮されていて、モノクロのエドワードが愛のために撒き散らす白い雪と、いろいろな思惑を秘めた普通の人々のカラフルな暮らしの対比が全編を通して組み込まれているのですが、なかなか1回目とかではわかりにくいかも。
雪が物語のトリガーなわけですが、途中主人のビルが屋根に雪のように布団みたいなものを敷いてゆくのを見て、派手なクリスマス・イルミネーションは日本でも大流行ですが、アメリカの雪の降らない土地ではそこまでするのかと感心してみておりました。
いや、実際そこまではしないでしょうけど・・・。
ハサミで傷つけてしまうという部分の折込のため、ちょっとざわざわしてしまいますが、なかなかいい映画だと思います。10回目のクリスマスの夜にどうぞ。
出演:ジョニー・デップ,ウィノナ・ライダー,ダイアン・ウィースト,アンソニー・マイケル・ホール,キャシー・ベイカー,ヴィンセント・プライス,アラン・アーキン
監督:ティム・バートン 1990年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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