2012.03.15
邦題:銀河鉄道の夜
宮沢賢治原作の同名小説のアニメ作品。669本目の映画投稿です。
長く漁から戻らない父の変わりに家計を支えるため、ジョバンニは放課後、活版所で活字拾いのアルバイトをしていました。
今日の授業は天の川銀河について。先生に質問されたジョバンニは、答えがわかっていながら答えることが出来ず、クラスメートのカンパネッラも答えようとしませんでした。
父のことで級友達からからかわれていましたが、カンパネッラだけは彼の良き理解者でした。
アルバイトを終え帰宅すると、病気の母から配達の牛乳が届いていないことを聞き、母の許しを得て牛乳を取りに行くついでに今夜行われる星祭りを見に行くことにします。
しかし出会った級友たちにまた父のことをからかわれ、ジョバンニは天気輪の柱の丘に一人向かいます。そこで孤独をかみ締め、遠い天の川に思いをはせていると突然閃光に包まれ、目の前に銀河鉄道の列車が停車します。
気がつくと列車に乗り込んでいたジョバンニ。そこにはカンパネッラも乗っていました。
身近なはずなのに読んだことのなかった「銀河鉄道の夜」。以前、鳥取の天文台を訪れたときに、このアニメの「プラネタリウム版」を観て感動したことを思い出しました。
主要な登場人物は猫として描かれていますが、これは原作とは異なり、本作のもととなった漫画化の際にますむらひろしが脚色したものです。
しかしこれによって、ちょっと形而上的なこの物語を身近に触れることができるようになりました。
作品のテーマは「宇宙と命」、あるいは「永遠と有限の存在」といった感じでしょうか?本作を見ると同様のテーマで描かれた、スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」を思い起こさせ、またテーマに対する宮沢、あるいは日本人的アプローチを感じます。
子供もとっつきやすい猫が主人公の旅物語ですが、「大人のための童謡」です。音楽は、祖父がタイタニック号に乗船していたという細野晴臣。
出演:田中真弓,坂本千夏,中原香織,金田龍之介,金田龍之介,常田富士男,
監督:杉井ギサブロー 1985年
音楽:細野晴臣
BOSS的には・・・★★★☆☆
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