2012.04.25
Coco Chanel 邦題:ココ・シャネル
世界中から愛されるブランド「シャネル」の創業者でデザイナーのココ・シャネルの生涯を描いたドラマ。676本目の映画投稿です。
1954年、パリ。ココ・シャネル(シャーリー・マクレーン)は、第2次世界大戦で中断していたコレクションを再開します。が、詰め掛けた顧客や評論家から酷評を受け、失意の彼女は自身の半生を振り返ります。
1883年、フランス南西部の小さな町で生まれた彼女は、12歳のとき裁縫で生計を支えていた母が死に、行商人だった父に捨てられて妹と共に修道院に預けられます。
18歳のとき、お針子として孤児院を出た彼女は、歌手を目指すも断念。帽子デザイナーからファッションデザイナーとしてのキャリアを歩み始めます。
幾たびか彼女を襲う挫折の日々。そんな彼女を勇気付けたのは生涯の最愛の男性、ボーイ・カベルとの愛の日々と別れだったのです。
シャネルといえばモンローも愛した香水「No.5」があまりにも有名ですが、20世紀初頭にウーマンリブ的な「古い価値観にとらわれない女性像」をデザインし、やがてそれはブランドポリシーとなってゆきます。
そして生涯最愛の男性を偲んで自らのためにデザインした喪服が、「リトル・ブラック・ドレス」として大流行。その後も、ファッションの歴史を刷新しリードしていったお話は皆さんもご存知の通りです。
孤児院育ちの彼女が、「自立した女性」として男性社会や既存の価値観という世界・常識と戦ってゆく姿を描いた本作。主演はアカデミー女優のシャーリー・マクレーンですが、若かりし頃を演じたバルボラ・ボブローヴァも、なかなかの演技です。
基本的には史実どおりなのですが、第二次大戦中のナチス将校との恋物語とその後のスイス亡命には一切触れられていません。
シャネル自身はもちろんのこと、登場人物たちの衣装デザインも注目。もちろんその時代のものなのですが、往年のシャネル・デザインを垣間見ることが出来ます。
彼女の残した名言も、作品の中に織り込まれています。
「贅沢とは、居心地がよくなることです。そうでなければ、贅沢ではありません。」
「下品な服装は服だけが目につき、上品な服装は人物を引き立たせる。」
「実際にどう生きたかは、大した問題ではないのです。大切なのは、どんな人生を夢見たか、ということだけなの。」
ファッションに興味のある方。香水しかシャネルをご存じない方。シャネルといえば関西風のド派手なデザインとしか知らない方に。
いや、それよりも常に自分を見つめ続けて生きている女性の方々に。
出演:シャーリー・マクレーン,マルコム・マクダウェル,バルボラ・ボブローヴァ,ブリジット・ブーシュ,ヴァレンティーナ・カルネルッティ,セシル・カッセル
監督:クリスチャン・デュゲイ 2008年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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