2012.04.23

Movies

邦題:恋するトマト クマインカナバー

農家の嫁不足という社会問題を背景に描かれたヒューマン&ラブストーリー。675本目の映画投稿です。

専業農家の長男野田正男(大地康雄)は、これまで何度もお見合いをしてはそのたびに断られていました。

tomato01.jpg田舎暮らしに憧れる都会の女性景子(富田靖子)との縁談も破談に終わり意気消沈。そんな彼を見かねた仲間の勇作(藤岡弘)にフィリピンパブで働くリバティ(ルビー・モレノ)を紹介されます。

交際は順調に進み、彼女の希望もあって結婚式をあげるために二人はフィリピンに渡りますが、よく朝起きてみるとそこには誰もおらず、農協から借りた結納金も消えていました。

生きる気力をなくし、浮浪者としてマニラの街を彷徨う正男を助けたのは、現地で若い女性を日本に送り込むブローカーの中田(清水紘治)でした。

彼のもとで働き始めた正男は、次第にやくざとしての力量を発揮してゆきます。

そんなある日、仕事で通りかかったラグーナの田園風景に心を打たれます。彼の生まれ育った霞ヶ浦に広がる故郷によく似た風景。そしてそこでかいがいしく働く一人の女性に目を留めます。

彼女は、行きつけのレストランのウェイトレスをしていたクリスティナ(アリス・ディクソン)でした。

冒頭、日本の農村が抱える後継者問題、嫁不足問題、そしてフィリピン人女性の「じゃぱゆきさん」が喜劇的に繰り広げられ、ありがちな内容にあくびをこらえながら見ていたのですが、途中のフィリピンロケあたりからなんだか展開が読めなくなってきます。

主人公はやはり「売春ツアー」や「じゃぱゆきさん」にかかわってゆくわけですが、ある日を境に「土」を思い出す。と同時に、人間らしく生きることの意味を初めて見つけることになります。

まだお互いをはっきり意識していない主人公たちが、フィリピンの地で日本種のトマトを協力しながら育ててゆくわけですが、そこに生まれるのは相手に対する慈しみと思いやりの心。

こちらもありがちではありますが、ついついエンディングではおじさん、うるうるしてしまった。「物やカタチ」ではなく大切にすべきなのは「ココロ」。

ちなみに、サブタイトルの「クマインカナバー」は、タガログ語で「ごはん食べましたか?」の意味です。

出演:大地康雄,アリス・ディクソン,富田靖子,村田雄浩,ルビー・モレノ,清水紘治,藤岡弘

監督:南部英夫 2005年
企画・脚本・製作総指揮:大地康雄

BOSS的には・・・★★★☆☆

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