2012.04.11
'Round Midnight 邦題:ラウンド・ミッドナイト
モダンジャズの偉大なテナープレイヤーと、彼の音楽を愛し彼をサポートするフランス人青年の交流を描いたドラマ。アカデミー賞作曲賞受賞作品。
1959年。盛りは過ぎたと言え、長くサックスの巨人としてジャズ界に君臨してきたテナー奏者のデイル・ターナー(デクスター・ゴードン)が、パリのクラブ、ブルーノートに出演するためにフランスを訪れます。
彼を迎えたのは、ピアニストのエディ・ウェイン(ハービー・ハンコック)やヴァイブのエース(ボビー・ハッチャーソン)といった気心の知れた仲間たちでした。
久々の大物ミュージシャンの出演に沸き立つクラブ。外には、雨に打たれながら漏れ出るデイルの演奏に耳を澄ます一人の若者がいました。
貧しいグラフィック・デザイナーのフランシス・ボリエ(フランンワ・クリューゼ)は、妻フランシスは妻(クリスチーヌ・パスカル)と別れ、みすぼらしいアパートに9歳になる娘ベランジェール(ガブリエル・アケル)と二人住んでいました。
やがて意気投合したデイルとフランシス。アル中で、酒が入ると正体不明になるデイルの身を案じ、フランシスは妻から借金をして広いアパートを借り、デイルを引き取って面倒を見ることにします。
フランシスの面倒見の甲斐あって、デイルはアル中を克服し、音楽にかつての輝きが戻ってきます。そしてフランシス自身も仕事に恵まれるようになり、奇妙な3人暮らしにひと時の幸せな時間が訪れます。
とうとうデイルがアメリカに帰国する日がやってきます。彼の身を案じたフランシスは、彼についてニューヨークを訪れますが・・・
実際のJAZZミュージシャンでテナー奏者のデクスター・ゴードンが主演、共演にはハービー・ハンコックという、JAZZファンは一見の価値ある作品。デクスター・ゴードンも主演男優賞ノミネートでした。
物語はバップの神様、バド・パウエルのフランス滞在中の実話をもとに作られていて、あの時代のアルコールというよりは薬漬けだったJAZZミュージシャンたちの実像に迫る!というよりは、一人のクリエイター&ミュージシャンと、彼を敬愛する人間との交流がメイン。
そういうことで、ドロドロしたインパクトはなく、デクスターのテナーの調べを聴きながら、わりと気楽に観る事が出来ます。
実在のミュージシャンの名前とか、「ブルーノート」とか「バードランド」とかのクラブ名も出てくるし、知ってる人にはニヤリとさせる内容。
アメリカ・フランス合作なのですが、正直それぞれの相乗効果は薄いかも。もう少し、どちらかの報告に振ってしまってもよかったのではないかと思います。
ちなみにタイトルはモンク作のスタンダード「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」からきてて、劇中でもレコーディングシーンで演奏されますが、もちろんマイルスのあの「ダ、ダ、ダーン」のブリッジはありません。
エンディング近くに、マーティン・スコセッシがちょい役で登場します。
JAZZのある一部の側面と言うことで、コアなJAZZファンに。
出演:デクスター・ゴードン,フランソワ・クリュゼ,ガブリエル・アケルロネット・マッキー,ジョン・ベリー,マーティン・スコセッシ
監督:ベルトラン・タヴェルニエ:1986年
音楽:ハービー・ハンコック
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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