2012.04.04
The Bud Powell Trio by Bud Powell
バド・パウエルと言えば、かつてのJAZZ喫茶の大ヒットナンバー「クレオパトラの夢」ときて、アルバムは「ジ・アメイジング・バド・パウエルVol.5」となるわけで、日本ではソニークラークの「クール・ストラッティン」と並んでリクエストが多かった。(らしい・・・)
それで、あまりのリクエストの多さに辟易したオーナーが、レコード叩き割って「うちにはありません」って宣言した人もいたとか・・・。
でも個人的に彼のアルバムの中で一番好きなのはこのアルバムだったりします。邦題は何故か「バド・パウエルの芸術」なんてついてます。
JAZZピアニストと言うのはそのほとんどが「パウエル派」と言われるほど、彼の洗礼を受けていないピアニストはいないのです。一時期ブームだった、妙に軟いだけの「エバンス派」は例外として。
で、このアルバムはそのパウエル派の人たちの教本と言われていました。そういう意味では「乗り越えなければならない一山」みたいな言い方をされているのですが、あれこれJAZZピアノを聴いてくると、結局ここに落ち着きます。
このアルバムは全16曲のうち、前半の8曲がマックス・ローチが太鼓を叩く1947年の録音、後半8曲がアート・テイラーに変わった1953年の録音で、アルコールや麻薬で精神障害となる直前の、彼の絶頂期を堪能できるアルバムです。特に47年は、パウエル22歳のときの初リーダー録音。
大好きなのは1曲目の「I'll Remenber April」。そして15曲目の「Stella By Starlight(星影のステラ)」
彼のピアノスタイルに合っているのはもちろんマックス・ローチなのですが、ある意味パウエルらしくない美しいバラードなどを聴くと、アート・テイラーもいいなと思います。
このアルバムを聴くと、やっぱり彼らしいと言いますか、彼の絶頂期は40年代だったのかなって?今では当たり前の、ピアノトリオのフォーマットを創造した彼の、必聴アルバムです。