2012.05.15
邦題:瀬戸内少年野球団
終戦直後の淡路島を舞台に、敗戦の混乱の中でそれぞれの生き方を見つけてゆく大人と少年たちの物語。680本目の映画投稿です。
太平洋戦争に敗戦した昭和20年晩夏。瀬戸内海に浮かぶ淡路島の国民学校初等科5年男組の級長足柄竜太(山内圭哉)やヤクザ志望の正木三郎(大森嘉之)ら生徒は、担任の女教師中井駒子(夏目雅子)の指示に従って、教科書の一部を墨で塗りつぶしていました。
竜太も三郎も父親は戦死し、駒子の夫も戦地から戻ることはありませんでした。
ある日、海軍軍人だった波多野(伊丹十三)につれられて娘の武女(佐倉しおり)が島にやってきます。彼女の凛とした姿に胸ときめいた少年たちは、二人を進駐軍から守ることを誓い合います。
まもなく、星条旗をなびかせた進駐軍の艦艇が島にやってきます。彼らの目的は島に構築された砲台の爆破処理でした。
網本でもある駒子の自宅で、進駐軍の歓迎会が行われていたその夜、駒子は夫の弟である鉄夫(渡辺謙)に力ずくで体を奪われます。
翌日、三郎と竜太は学校帰りの天神さまで、松葉杖をついた一人の軍人に声をかけられます。それは駒子の夫正夫(郷ひろみ)でした。
野球好きの人間だと見る前からわくわくしてしまうタイトルですが、野球の話はなかなか出てきません。
しかも「野球」によって何かが起こったり、何かが変わったりという印象も非常に薄い。
それよりも戦後の混乱期、田舎の島の小さな町でも、いろいろな人がいろいろな思いや迷いで混乱しながら暮らしていたことが長々と綴られます。
個人的にはタイトルは「瀬戸内戦後混乱記」のほうがいいのではないかと思えるほど、野球ファンには肩透かしな内容。広告宣伝ほどには、高尚なところを狙ってはいない、ただのドラマです。
夏目雅子、いいですねぇ~。でも、「不適切な表現」以前に脚本が稚拙だし、役柄とはいえあまりにも不器用そうな演技。そこがかわいいと言えばかわいいのですが・・・。
渡辺謙、岩下志麻、三上博史などなど、今は名だたるメンバーが出演。
野球ファンにはお勧めいたしません。夏目雅子ファンに。岩下志麻ファンと郷ひろみファンにも。
出演:山内圭哉,大森嘉之,佐倉しおり,夏目雅子,大滝秀治,加藤治子,渡辺謙,ちあきなおみ,島田紳助,内藤武敏,伊丹十三,郷ひろみ,岩下志麻
監督:篠田正浩 1984年
原作:阿久悠
BOSS的には・・・★★☆☆☆
もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」