2012.06.24

Movies

The Other Boleyn Girl 邦題:ブーリン家の姉妹

イギリス国教会誕生のきっかけとなったヘンリー8世の世継ぎ問題と、王妃となった後のエリザベス1世の母となるアン・ブーリンとその妹メアリーの半生を描いた同名小説の映画化作品。687本目の映画投稿です。

16世紀のイングランド。新興貴族のトーマス・ブーリン卿(マーク・ライアンス)には、アン(ナタリー・ポートマン)とメアリー(スカーレット・ヨハンソン)という二人の姉妹がいました。

boleyn.jpg当時の貴族にとって、娘たちは政略結婚により一族の経済的社会的繁栄をもたらす道具でしかありませんでした。

その頃、世継ぎの男子を得られないイングランド王ヘンリー8世(エリック・バナ)は、世継ぎを生むための愛人を探していました。

それを聞きつけたブーリン卿は、長女のアンをと画策しますが、王が興味を示したのは妹のメアリーでした。

イギリスの歴史を語る上で忘れてはならないのが、スペインの無敵艦隊を破った女王エリザベス1世による半世紀にわたる統治の時代です。

そのエリザベスを生んだ王妃アン・ブーリンと、ローマ・カトリックと決別しイギリス国教会を樹立した父ヘンリー8世の物語です。

物語は小説をベースに、アンとメアリー姉妹の王の愛を巡る葛藤を軸に描かれていますが、もちろんこれはかなり脚色されています。

物語では先妻のキャサリン・オブ・アラゴンを追放させたのはアンということになっていますが、もちろんこれはブーリン卿とその取り巻きの画策でしょう。

今では当たり前のように捕らえられている英国国教会の存在や、かのエリザベス1世誕生の物語も、ただの男と女の愛憎の物語でしかなかったことを教えてくれます。

決して学校では教えてくれない、「歴史」とは常に男と女の問題や、欲望と羨望、嫉妬などで作られていることを教えてくれる、とってもお勉強になる映画です。もちろん、キングズ・イングリッシュのお勉強にも。

個人的には王と同じでスカーレット・ヨハンソンが好みなのですが、物語が進むうちにナタリー・ポートマンがええ女だと思ってしまいます。

出演:ナタリー・ポートマン,スカーレット・ヨハンソン,エリック・バナ,ジム・スタージェス,マーク・ライアンス,クリスティン・スコット・トーマス,デビッド・モリッシー

監督:ジャスティン・チャドウィック 2008年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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