2012.07.25
Collateral Damage 邦題:コラテラル・ダメージ
テロによって最愛の妻子を失った一人の消防士が、爆破犯への復習に奮闘する姿を描いたアクション映画。694本目の映画投稿です。
ロスアンゼルス消防署の隊長として、日々人々の命を救うことに奮闘しているゴーディー(アーノルド・シュワルツェネッガー)。ある日、市内のカフェで妻息子と待ち合わせをしていましたが、彼の目の前で突然爆発事故が起こり、最愛の二人を一瞬にして失ってしまいます。
爆発直前に、犯人と思しきコロンビアのテロリスト、ウルフ(クリフ・カーティス)を目撃したゴーディーは、犯人逮捕は時間の問題だと確信していました。
しかし、CIAやFBIからは何の音沙汰も無く、やがて妻子の死は国家にとっての「コラテラル・ダメージ」、政治的にやむをえない犠牲であった思い込み、自らの手で犯人を捕まえようと単身コロンビアに乗り込みます。
現地でゲリラに襲撃された彼は小さな村に逃げ込み、そこで暮らす若い女性セリーナ(フランチェスカ・ネリー)とその息子に出会います。
二人が無くした妻子と重なるゴーディー。しかしセリーナは、実はウルフの妻だったのです。
南米コロンビアと言えば、麻薬を巡ってアメリカが見えざる戦争を続ける国。そういう背景の上に起こったあるテロによって家族を失った男が、一人でテロリストに立ち向かうという破天荒な物語です。
しかも彼の職業は隊長とはいえ消防士。いくらひどい悲しみと復讐心に燃えたとしても、ただの消防士がどうやってテロ組織と戦うのか。
そういう疑問に対しては、彼は消防士といっても爆発物処理の専門家ということになっていて、対テロ組織自体も小さくしてリーダーであるウルフとの決闘というプロットに置き換えています。
で、物語が進むにつれ実は敵も麻薬がらみではなく個人的な復習からテロを続けていたことがわかり、爆発の犠牲者が「コラテラル・ダメージ」なのではなく、生き残って戦う人たち自身が「コラテラル・ダメージ」であるという昇華が起こります。
ただこの辺は、あまり強調されていないために、観ている私たちにはわかりにくい。
結局、同じような思いで同じようなことをしている二人だけれど、シュワルツェネッガーはヒーローだから、彼が正しいという刷り込みの上でエンディングを迎えることになります。
ちょっとしたサプライズなどもあるのですが、結局暴力は暴力の連鎖しか生まないというありきたりの教訓をほのかに残して、物語は終わります。
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー,フランチェスカ・ネーリ,イライアス・コティーズ,クリフ・カーティス,ジョン・レグイザモ,ジョン・タトゥーロ
監督:アンドリュー・デイヴィス 2001年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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