2012.07.10
Scent of a Woman 邦題:セント・オブ・ウーマン
盲目の退役軍人と、彼の世話役をすることになった青年が次第に心を通わせて行くさまを描いたヒューマンドラマ。アカデミー賞主演男優賞受賞作品。690本目の映画投稿です。
貧しい生まれながら奨学生となり、ボストンにある全寮制の名門ハイスクールであるベアード校に通うチャーリー(クリス・オドネル)は、アルバイトで盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話をすることになります。
翌朝、校長のトラスク(ジェイムズ・レブホーン)が全校生徒の前で車ごとペンキまみれになるいたずらをされ、校長は犯人の顔を知るチャーリーとクラスメイトのジョージ(フィリップ・S・ホフマン)を呼びつけ、犯人を明かさないと査問委員会で退学処分とすると脅します。そしてフランクには、交換条件として大学進学の奨学金も提示します。
バイト初日。チャーリーはいきなりフランクのニューヨーク旅行に同行させられることになり、一流ホテルや高級レストランを巡る超豪華な旅に仰天します。
旅の最後に自殺すると銃を携行するフランクに、チャーリーは学校での一件を語りますが、級友に裏切られる前に真相を話して自身を救えと諭されます。
翌日、二人はリムジンに乗って郊外に住むフランクの兄を訪ねますが、歓迎されないままに立ち去ることになります。
タイトルを見ると原題もそうですが、なにやらエロティックな作品かと思ってしまいますが、全くもって異なる内容の作品。そういう意味で期待した方にはがっかりです。
しかしさすがはアカデミー賞受賞作品だけあって、主演のアル・パチーノの盲人の演技や、タンゴ・プロジェクトによるガブリエル・アンウォーとのダンスシーンは絶品です。
出世の道を閉ざされ、自らのつまらない失態で失明し、人生や生きること、彼の周りの人間や世間に対して好戦的になり、ついには自らの命を絶とうとした一人の軍人が、人生最後の旅と決めた旅行の同伴となった青年との交流の中で、一人の人間としての尊厳を取り戻し、明日を生きる希望を見出してゆきます。
アル・パチーノと言えばゴッド・ファーザー、いやセルピコというようなキャラもありましたが、彼のファンの一人からするとちょっと違和感のある役柄のスタートだったのですが、最後は納得のエンディング。
クリス・オドネルとの相性もなかなですし、タイトルとは異なり性的な描写が一切無いのがまたいい。おかげで、ガブリエル・アンウォーとのダンスシーンがとっても際立ってセクシーでした。
出演:アル・パチーノ,クリス・オドネル,ジェームズ・レブホーン,ガブリエル・アンウォー,フィリップ・シーモア・ホフマン,リチャード・ヴェンチャー,ブラッドリー・ウィットフォード
監督:マーティン・ブレスト 1993年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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