2012.07.01
War of the Worlds 邦題:宇宙戦争
SF映画の巨匠スピルバーグが贈る、宇宙人と人類との壮絶な戦いを描いた作品。H・G・ウェルズによる同名SF小説の映画化作品。688本目の映画投稿です。
港でクレーンの運転をする港湾労働者のレイ(トム・クルーズ)は、離婚した妻に引き取られた息子ロビー(ジャスティン・チャットウィン)と娘レイチェル(ダコタ・ファニング)を元妻であるメリー(ミランダ・オットー)から預かることになります。
子供から全く信頼されていないレイは、彼らとのまともなコミュニケーションも出来ません。
翌朝、街は黒い雲に覆われ、辺りは嵐となります。そして奇妙な稲妻が落ち、レイは多くの野次馬と共にその場所を見に行くと、突然そこから巨大な「トライポッド」が現れ、レーザー光線で次々と人々を殺傷し、街を破壊してゆきます。
逃げ延びたレイは、盗んだ車にレイチェルとロビーを乗せて、母親のいるというボストンを目指して街を出ます。
しかし世界中に現れたトライポッドは次々に街を破壊し、もはや逃げるべき場所はどこにもありませんでした。
「未知との遭遇」や「E.T.」で、人類に友好的な異星人との交流を描いた巨匠スピルバーグが、今回は一転して古典的宇宙人侵略ものといいますか、無慈悲に人類を襲う宇宙人との戦いを描いた作品。
「われわれの地球は、かねてより高度な知能を持つ宇宙人に監視されていた・・・」というような前振りで始まる本作ですが、襲撃はある日突然、とてつもなくいきなり始まります。
なぜ今なのか?彼らは何を目的としているのか?
全く何の説明もなく、とにかく人類はシールド・ビームで覆われた「トライポッド」なる超強力破壊兵器の前に、なすすべもなく敗走を続けます。
といっても、映像に見える地球軍はわずかな戦闘機と攻撃ヘリ、そして地上部隊なのですが・・・。
で、反撃らしい反撃もないまま物語はエンディングに向かってゆく。するとどうでしょう、あれほど無敵だった「トライポッド」のシールドビームがいきなり機能しなくなり、手持ちのロケット・ランチャーでぶっ壊れてしまう。
これも全く何の予告もなかった反撃の理由は、エンディングで語られることになりますが、観てるこちらとしては納得すると言うより、なんだか拍子抜けな印象。
始まりも展開も結末も、全くもってB級の域を出ない原作を、いくら巨匠がメガホンを取ったところで、これまでかー!の典型的作品。
チラッと登場する宇宙人も、特に真新しいイメージはなく、正直スピルバーグ監督作品と言われなければ、そうとは思えない。
逆に、スピルバーグによる「未知との遭遇」のイメージの逆展開のようなものをあれこれ感じてしまって、余計ネガティブになってしまいました。
結局彼は、SF物が得意なのではなく、少年少女たちに夢を与えるのがうまい監督だと言うのが、私の結論です。
ああ、もしかしたら、ダメダメな3枚目のトム・クルーズを堪能するための作品かも???
出演:トム・クルーズ,ダコタ・ファニング,ティム・ロビンス,ミランダ・オットー,リック・ゴンザレス,ジャスティン・チャットウィン
監督:スティーヴン・スピルバーグ 2005年
原作:H・G・ウェルズ
音楽:ジョン・ウィリアムス
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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