2012.08.25
邦題:うた魂(たま)♪
高校の合唱部に所属する女子高生の友情と成長を描いた青春物。記念すべき700本目の映画投稿です。
北海道のとある田舎町にある七浜高校の合唱部員荻野かすみ(夏帆)は、自らの歌唱力とルックスに過剰な自信を持っていました。
ある日、憧れている同じ高校の生徒会長である牧村純一(石黒英雄)から、歌う姿を写真に撮らせてほしいと頼まれ、自分のことが好きなのだと勝手に思い込んで承諾します。
合唱コンクールの北海道予選の壮行会の日、いつもどおり自信満々、自意識過剰に歌うかすみをカメラに納める松村。しかし出来上がった写真は、目を見開き大きく口を開けた強烈なものでした。
自分の歌う表情に驚愕したかすみは、彼から「産卵中のしゃけみたいでユーモラス」とまで言われ、その写真は生徒会新聞の表紙を飾ることになります。
同じく松村に思いを寄せる幼馴染の青柳レナ(岩田さゆり)に追い討ちをかけられ、すっかり自信を失ったかすみは、合唱部顧問の臨時教師(薬師丸ひろ子)に退部を申し出ます。
承諾は受けたものの、先生から「ラストステージに立て」と言われ、やる気のないまま夏祭りの合唱際に参加することになります。
原作は栗原裕光の「あたしが産卵する日」ですが、見事な脚色で「うた魂」的な内容に仕上がっています。
全国大会常連のいわばエリート合唱部の中で、新しい自分を見出そうともがく主人公。そんな彼女を救うのが対極的な歌の好きなだけの不良少年たち。
でも、大切なこと、誰かに伝えるべきことは、見かけやいい耳障りなどではなく、いかに歌い手の心を伝えるかということ。
そういう歌い手だけでなく表現者として忘れてはならないものを、しっかりと伝えてくれます。
主人公の夏帆の天然な演技や軽い劇画的な映像やコミカルな脚色は、子供たちの成長の上澄みだけをさらっと表現しているようにも見えますが、普段の私たちの生活って結構、こんな感じの上滑りで出来てて、それほどヘビーでもないことを思えば、リアリティ溢れる作品ではあります。
キーワードは、「フリチンになる」こと!(~_~;)
みえみえではありますが、おじさんも納得のエンディングでした。
出演:夏帆,ゴリ(ガレッジセール),石黒英雄,徳永えり,亜希子,岩田さゆり,ともさかりえ,間寛平,薬師丸ひろ子
監督:田中誠 2007年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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