2012.09.02
Il Ferroviere 邦題:鉄道員
世界大戦後間もないイタリアの、ある労働者階級の家庭の出来事を子供の視線で描いた、いわゆるネオ・リアリズム作品。ギターのテーマ音楽が有名ですが、アカデミー賞は受賞していません。701本目の映画投稿です。
幼い少年サンドロ(エドアルド・ネヴォラ)の誇りは、最新式の電気機関車の運転手である父アンドレア・マルコッチ(ピエトロ・ジェルミ)でした。しかし失業中の長男マルチェロ(レナート・スペジアリ)や、食料品店に嫁いで行った長女長女ジュリア(シルヴァ・コシナ)にとっては酒好きでうるさすぎる存在でもありました。
そんな一家をまとめていたのは、忍耐強い母親サーラ(ルイザ・デラ・ノーチェ)とサンドロの純粋さでした。
ある日、アンドレアの運転する列車に一人の若者が身を投じます。そのショックで自失となった彼は赤信号を見過ごし、列車同士の正面衝突を起こしかけてしまいます。
今時ではごく当たり前の映画作りとなった感のある、普通の家族の日常目線の自然な映像。しかし1950年代当時としては、やはり画期的な作品でした。
ということで、今時の映画を見慣れた方には特筆すべきところのない作品なのですが、とにかく少年サンドロが純粋で子供っぽくてかわいい。彼の台詞はユーモアにも溢れていて、逆にそれがこの映画に人の優しさや思いやりのまなざしを感じさせています。
邦画で言えば、奇しくも同時代の小津安二郎監督の「東京物語」と言う感じでしょうか?
テーマソングから入らず、身近な人たちの物語としてお気軽にご覧ください。モノクロです。
出演:ピエトロ・ジェルミ,ルイザ・デラ・ノーチェ,エドアルド・ネヴォラ,シルヴァ・コシナ,カルロ・ジュフレ
監督:ピエトロ・ジェルミ 1958年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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