2012.09.11
邦題:バーバー吉野
少年はみな同じ髪型にしなければならないと言う町の伝統に反旗を翻した少年たちの姿を描いた思春期ドラマ。705本目の映画投稿です。
とある田舎町。ここでは昔からの慣わしで、少年たちは皆同じように、「吉野がり」とよばれるマッシュルーム・カットにしていました。
そんな子供たちの散髪をしているのは、町に唯一の床屋「バーバー吉野」のおばちゃんこと吉野良子(もたいまさこ)でした。吉野がりの伝道師である彼女は、子供たちの監視役でもありました。
そんな彼女の息子で小学生の慶太(米田良)のクラスに、ある日東京からの転校生、坂上洋介(石田法嗣)がやってきます。
茶髪で今風の髪型の彼は、おばちゃんの魔の手を逃れ、何とか自分のヘアスタイルを貫こうとします。そんな彼に、慶太とその仲間たちも次第に感化されてゆきますが・・・
基本的には「その他大勢の子供」から「自我に目覚めた大人」への一歩を踏み出そうとする少年たちの成長を描いた作品とでも言いましょうか?「死体」の替わりに「髪型」を題材にした「スタンド・バイ・ミー」日本版とでもいいましょうか?
きっと原作者も監督もそれを意識したと思いますが、残念ながらそれなりの出来となっています。
あくまでも少年たちが主人公であり、対するのは既成概念で「子供」を捉えようとする「大人たち」で、ベースはハート・ウォーミングではありますが、それは意図したものと言うよりはそのあたりの雰囲気に造りこんだ、あるいはそういう解釈をしたとでもいいましょうか?
当然、かの作品のような「切れ味」は皆無で、エンディングは拍子抜けさえします。
ただ、邦画らしい邦画といえばそういう見方も出来るわけで、これはもしや女流監督?という私の予感どおり。どうも私は、女流監督との相性が悪いようです。
老若男女を問わず、ご家族全員で安心して観ていただける作品ではあります。
出演:米田良,もたいまさこ,石田法嗣,大川翔太,村松諒,宮尾真之介,岡本奈月,浅野和之,桜井センリ
監督・脚本:荻上直子 2003年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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