2012.12.27

Movies

邦題:ICHI

国民的キャラクター「座頭市」を、人気女優の綾瀬はるかが演じた女性版異色アクション時代劇。727本目の映画投稿です。

生き別れになった父を探して、離れ瞽女(盲目の三味線引き)の市(綾瀬はるな)は旅を続けていました。

ichi.jpg盲目の女一人旅でしたが、彼女は仕込み杖を持ち、父から伝授された逆手一文字剣法でその身を守っていました。

ある日、そんな彼女の窮地を救おうとして逆にその身を助けられた浪人の藤平十馬(大沢たかお)は、剣術の指南役の跡取りでしたが、子供の頃に母を傷つけてしまい、それ以来刀を抜くことができなくなっていました。

宿場町を仕切る白河組の若頭、虎次(窪塚洋介)に勘違いで見込まれてしまった十馬は、白河組の用心棒として雇われることになります。山間に住む野党の万鬼(中村獅童)が率いる万鬼党が、宿場町を狙っていたのでした。

幼い小太郎(島綾佑)の取り持つ縁で、十馬と市は次第に心を通わせてゆきますが、万鬼党の襲撃で白河組は大きな被害を受け、十馬はそこでも刀を抜くことができず、代わりに市は万鬼党のアジトに引き立てられてゆきます。

「座頭市」と言えば「勝新太郎」と言う方は、歳がわかります。若い方は2003年のリメイク版の「ビートたけし」を連想される方もいらっしゃるでしょう。

本作はあの勝新太郎がライフワークとしていた「市」を、人気女優の綾瀬はるかが演じ、物語もそれに沿った脚色がされました。

好みの問題もあると思いますが綾瀬はるか、なかなか美人だし刀さばきもよく練習されていてリアリティある映像になっています。

オリジナルの脚色である周辺で起こる出来事も良くできていて、展開としては飽きさせないし、たけし版のストレートさとはまた異なる面白さがあります。

しかしです、残念ながらやはり邦画。無駄なカットやら無用に長いシーンやら。こういうのを見せられると、やはり「綾瀬はるか」を見せたいだけなのか?と勘ぐってしまう。せっかくのスピーディな展開も台無しです。

切られた役者の顔が長く映ってるな・・・と思ったら、やっぱり血を吹くし・・・。刀で切られたら、必ず口から血を吐くという刷り込みができているらしい・・・。ということで、映倫PG12指定。

音楽は「グラディエーター」「ヒート」などを手掛けたハリウッドの音楽家リサ・ジェラルド。と言われても、特に何の印象も残らない。

エンディング近くの決闘シーンも、ここにきていきなりありえない展開、いやそうあるべきなのでしょうが何かおかしい展開で、気持ちよく観終わりたいのに台無し・・・。

結局は、やはり「綾瀬はるか」ファンの方のための長いプロモーション作品だったのですか・・・

出演:綾瀬はるか,大沢たかお,中村獅童,窪塚洋介,柄本明,竹内力,利重剛,佐田真由美,島綾佑,杉本哲太,横山めぐみ,渡辺えり

監督:曽利文彦 2008年

原作:子母澤寛

音楽:リサ・ジェラルド

BOSS的には・・・★★☆☆☆

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