BOSS's Column

88分後の死を宣告されたFBI分析医が犯人と対峙するリアルタイム・サイコ・サスペンス。734本目の映画投稿です。

1997年シアトル。女性を吊るして殺害する連続殺人事件が発生し、FBI異常犯罪分析医ジャック・グラム（アル・パチーノ）の証言により、ジョン・フォースター（ニール・マクドノー）が逮捕され、死刑判決が下ります。

9年後の死刑執行の朝。地元の大学で教鞭をとるジャックは、生徒の一人サラと一夜を過ごしていました。そこへFBI捜査官のフランク（ウィリアム・フォーサイス）から電話が入ります。ジャックの教え子デイルが、9年前の連続殺人とそっくりの手口で殺害されたのでした。

秘書のシェリー（エイミー・ブレネマン）にデイルの行動を調べるように依頼したジャックの電話に何者からか電話がかかり、あと88分後に彼の命を奪うと宣告してきます。

作品のスタートから88分間のリアルタイムで展開するお話。背景になるのは猟奇殺人。犯人の影に追われながら、アル・パチーノと共に駆け抜ける88分。

この手の作品に多い、ちょっとエロいシーンもありますが、なにせ88分しかありませんから濃厚な描写はなし。残念。

いや、そういう視点ではなく、結構謎解きが複雑なので、なかなか観ているほうも犯人にまでたどり着けません。いや、簡単にたどり着いちゃまずいのですが・・・

御大アル・パチーノ。キャスティングとしてはサスペンスに花を添えますが、セルピコから35年。ちょっとダッシュやら階段駆け上りは苦しそうです。

サブ・キャストの女性たちもなかなかの美女揃い。個人的には、助手のキム役のアリシア・ウィットでしょうか？

ベースとなった犯罪の誤認逮捕に対する疑問を残したままというのは、物語の複雑さには寄与していますが、かえって模倣犯の理由の謎解きに振ったほうが良かったような気がします。どの道、羊たちのような展開はありえないわけですから。

特に最後の方はもう、怒涛のごときネタばれ映像展開。もう少し我慢していただければ・・・

88分一本勝負ですので、それだけでも結構緊迫感があるのですが、作る側も時間の追われたような感は否めず、もう少し落ち着いて観る者を騙した感、やった感ある作品にしていただければ、われわれも納得の作品となったことと思います。

猟奇、スリラーといってもPG指定なしのサスペンス・メインですので、女性の方もご安心を。アル・パチーノのファンの方に。サスペンス好きの方に。

それにしても、邦題の副題、長すぎ・・・。

出演：アル・パチーノ,アリシア・ウィット,リリー・ソビエスキー,ウィリアム・フォーサイス,デボラ＝カーラ・アンガー,エイミー・ブレネマン,ベンジャミン・マッケンジー,ニール・マクドノー,リーア・ケアンズ

監督：ジョン・アヴネット　2007年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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