2013.01.28
邦題:花のあと
密かに思いを抱いた武士のあだ討ちを果たそうとする女性を描いた時代劇作品。739本目の映画投稿です。
江戸時代、東北にある海坂藩。満開の桜の下で以登(北川景子)に声をかけてきたのは、羽賀道場の高弟・江口孫四郎(宮尾俊太郎)でした。
幼い頃から父・寺井甚左衛門(國村隼)に剣の手ほどきを受けた彼女は、道場では相手なしの剣豪でしたが、孫四郎とは未だ剣を交えたことはありませんでした。
孫四郎の人柄に触れた以登は、孫四郎との手合わせを父に懇願します。藩隋一の剣士に敗れた彼女は、その胸のうちにあるものが恋心だと知ります。
しかし共に家の定めた相手の居る身。以登は密かな思いを断ち切り、江戸屋敷に出向いている許婚・片桐才助(甲本雅裕)の帰りを待つ日々が続きます。
冬となったある日、幕府老中への接見に江戸に向かった孫四郎は、藩の重役・藤井勘解由(市川亀治郎)の罠に落ち、江戸屋敷で切腹により命を絶ちます。
孫四郎の死を受け入れられない以登は片桐才助に相談し、事の真相を探り始めます。
「蝉しぐれ」「武士の一分」などで知られるサラリーマン時代劇作家、藤沢周平の同名短編小説の映画化作品です。
人物設定も上士に婿入りする下士という設定で、武士でも下々の中のお話。しかしそれでも、武士は武士。武家に生まれた娘もかくあるべし。とはいえ、いささか無理はあれどまあドラマですから、ドラマティックに。
以登役の北川景子、半年近く稽古を重ねたらしく、なかなか見事な剣さばきです。型だけでなく、ちゃんとチャンバラなところがまたいい。個人的には鼻の大きさが気にはなりましたが・・・。(~_~;)
エンディングの桜並木のシーンでは、近代の構築物が映ってやしないかとドキドキしながら見てましたが、ちゃんと処理されていて立派。脚本もちゃんとしてました。
「武士の一分」みたいにキャスティング的に話題性も無く、まったく地味な作品ですが、武士好きの私には、なかなかポイント高い作品でした。
出演:北川景子,甲本雅裕,宮尾俊太郎,相築あきこ,佐藤めぐみ,市川亀治郎,伊藤歩,柄本明,國村隼
監督:中西健二 2009年
脚本:長谷川康夫,飯田健三郎
原作:藤沢周平
BOSS的には・・・★★★☆☆
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