2013.01.03

Movies

The Freedom Writers Diary 邦題:フリーダム・ライターズ

実在の高校教師と生徒たちが荒廃の中から成長を遂げてゆく様を描いたヒューマンドラマ。新春一作目、累計728本目の映画投稿です。

1994年、ロスアンゼルス郊外のさまざまな人種の子供たちが通うウィルソン高校に、新任の英語教師エリン・グルーウェル(ヒラリー・スワンク)が赴任してきます。

freedom writers.jpg教育に生きがいを見つけようと意気込む彼女に対し、生徒たちはまともな反応をしません。彼らはそれぞれの肌の色で境界線を引き、同じ民族で徒党を組んで激しく対立していました。そしてそこには、白人の女性教師の入り込む隙間はなかったのです。

ある日の授業中、中米系のティコ(ガブリエル・チャヴァリア)が黒人のジャマル(ディーンス・ワイアット)をバカにした絵を描いて生徒たちに回します。エリンはそれを見つけ、第二次大戦のホロコーストがこのような差別から生まれたことを説明しますが、生徒たちはユダヤ人迫害の歴史自体を知りませんでした。

エリンは「アンネの日記」を教材にしようと思いつきますが、教科長キャンベル(イメルダ・スタウントン)からは予算の無駄使いだと一蹴されます。

仕方なく彼女は、なけなしの教師の報酬から生徒全員分のノートを購入し、彼らに「自分の日記」を書くように指示します。次第に生徒たちは、それぞれの本音を日記に綴るようになります。

人種の坩堝であるアメリカらしい作品で、単なる貧困層の教育問題だけでなく、その上で民族同士が激しく対立し、ほとんど大人のギャングの抗争状態となっている事実に立ち向かった一人の女性教師のお話です。

人種差別と言うのは本当に根が深くて、21世紀になっても決して解決はしていません。

白人にとっては、自分たちとそれ以外の2択となるのですが、それ以外の人たちにとってはそれぞれの民族がアイデンティティであり、中東やアフリカで繰り広げられている民族対立の縮図がそこにあります。

そんな子供とは思えない子供たちが、日記に自身の本音を吐露することで、あるいはホロコーストの事実をしることでそれほどにも大きな問題を乗り越えることができたというのがどうも信じられないのですが、それは心が柔軟な10台の若者だからなのでしょうか?

それとも過剰な演出のなせる業なのでしょうか?

ということで、ヒラリー・スワンク自体があまり好きではないし、自身の製作総指揮はやはり私の苦手な女流監督のゆるさが垣間見えはしますが、まあプレーンにみればそれなりに感動させてくれる作品です。

結局2年間だけ高校教師を務め、その後生徒と共に大学に移ったというのが、いかにもアメリカらしいエンディングではありました。

出演:ヒラリー・スワンク,パトリック・デンプシー,スコット・グレン,イメルダ・スタウントン,エイプリル・リー・ヘルナンデス,マリオン・ドラノー

監督:リチャード・ラグラヴェネーズ 2007年

原作:エリン・グルーウェル

製作総指揮:ヒラリー・スワンク,トレイシー・ダーニング,ナン・モラレス,ダン・レヴァン

BOSS的には・・・★★★☆☆

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