2013.02.15
Julia 邦題:ジュリア
アメリカ演劇界の女流作家リリアン・ヘルマンの世界大戦前後を描いたドラマ。自身の著作回顧録の映画化作品。アカデミー賞助演男優賞・助演女優賞・脚色賞受賞作品。748本目の映画投稿です。
1934年、アメリカ。劇作家リリアン・ヘルマン(ジェーン・フォンダ)は、推理小説家ダシェル・ハメット(ジェイソン・ロバーズ)との同棲生活をしながら彼女を一躍有名にした処女作「子供たちの時間」を執筆していました。
思うように筆の進まない彼女は時としてかんしゃくを起こしますが、ダシェルは常に彼女を励まし続けていました。
そしてリリアンは、幼友達のジュリア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)のことを思い起こします。
ジュリアは金持ちの上流家庭に生まれますが、身内の人たちを嫌っていました。文学や詩を愛した彼女は、引っ込み思案なリリアンをリードし、やがて互いに将来を語り合うようになります。
大学に進んだジュリアは、フロイトから教えを請うためにウィーンに赴きますが、そこで反ナチの地下運動にかかわるようになります。
思うように仕事がはかどらないリリアンは、ダシェルの勧めでパリへ向かい、そこで劇を書き上げることにします。
かつて、推理小説をこよなく愛した私は、いわゆるハードボイルドにまでもちろん手を伸ばしましたので、「マルタの鷹」で有名なダシェル・ハメットはもちろん知っていますが、演劇には疎いのでリリアン・ヘルマンはまったく知りませんでした。
そんな彼女の自伝ですので、ハメットとのやり取りには多少興味があるくらいで、だからどうした的スタンスで見始めたのですが、これがなかなか面白い。
ハメットの恋人だったからと言うわけではないと思いますが、ナチス台頭中のヨーロッパにおける地下組織関連という話題は、ちょっとサスペンス仕立てのよう。
そしてアカデミー女優ジェーン・フォンダ。本作が撮られる直前までベトナム反戦運動に傾倒していた彼女にとって、地で行く反戦演技だったのかもしれません。
彼女の父親は「十二人の怒れる男」「史上最大の作戦」のピーター・フォンダ、弟は「イージー・ライダー」のピーター・フォンダという映画俳優一家であるのはご存知の通り。
あの「チャイナ・シンドローム」の2年前の作品です。
アカデミー賞3部門受賞は、反ナチのテーマのおかげ?
出演:ジェーン・フォンダ,ヴァネッサ・レッドグレイヴ,ジェイソン・ロバーズ,マクシミリアン・シェル,ハル・ホルブルック,ローズマリー・マーフィー,メリル・ストリープ
監督:フレッド・ジンネマン 1977年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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